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2008年09月25日

野村リーマン買収

 野村ホールディングス(東証 8604)がリーマンブラザースのアジア太平洋、欧州・中東部門を買収。
アジア太平洋部門は推定200億円。従業員3000人(うち半数は東京)。
欧州・中東部門は非公開(数百億円)従業員2500人。

野村ホールディングスの連結従業員は18026人ですから、これに約5500人が追加されることになります。
野村にとっては、激しい競争が今後も続くグローバル資本主義の中で生き残っていくための勇気ある決断といえましょう。
ただ今回の買収で、

日本の金融機関が外資系を飲み込んだ

と捉えてはならないと思います。
 野村という会社には米国や英国法人で優秀な人材を積極的に採用し、年功に関係なく業績や能力で出世させるという企業文化があります。
だからこそ今後の世界の金融の環境で生き残るため、にグローバルマーケットで勝負できるインフラと人材のあるリーマンのアジアと欧州を買収したのでしょう。
野村ホールディングスの国内証券部門の野村證券は国内ではガリバー的な存在です。
グループの本流でしょう。
しかし今後のグループの稼ぎ柱はおそらく成長著しい、アジア太平洋や中東・欧州です。
優秀な人材は競争が激しく、収益をたたき出すようなフィールドで育ちます。

もし野村が真にグローバル企業として成功するならば、将来的には稼ぎ柱のアジア太平洋部門出身のインド人やユダヤ人が本体のトップになっているのではないかと思います。
そういういダイナミックな企業改革が出来ないのなら、買収は失敗に終わる可能性があります。人材が逃げますから。

企業を長年観察していると長期に渡り成長と繁栄をするような企業には勿論優秀な経営者がいるわけですけれど、その優秀な経営者というのは、

その企業のもつDNAを発展・強化

することに成功しているんです。
 これはジャックウェルチ(GE)やスティーブ・ジョブス(APPLE)、松下幸之助(現パナソニック)、御手洗毅(キャノン)、稲盛和夫(京セラ)なんかの共通点です。

企業DNAという風にいいましたが、具体的にどんなことなのか?
私が考えるDNAというのは

企業の経済生態のメカニズムとその構成要素である人、組織との関わり

です。
 簡単に説明しますと、企業というのは顧客に商品やサービスしてお金をもらって成り立っています。
 モノを作ったり、情報などを加工してサービスを提供するのは全部人です。
だから企業は人なりという。
人がゆえに顧客との関係において<どうあるべきか>という定義が必要になってくる。
また競争が発生するために常に商品やサービスは革新が必要になってくる。
そういうイノベーションを生み出すのも人間の脳なわけで組織や人を駆り立てる企業コンセプトというものが必要になる。
これが一般にいうCI(コーポレートアイデンティティ)とか企業理念社是・社訓というものです。
企業理念には大きく2分野あります。一つは顧客や提供している製品・サービスに関わるテーマ。もう一つは社員の質に関わるテーマです。
多くの企業は理念として、どんな顧客にどんなサービスをどんな方針(品質)で提供するという定義をします。
そして、そのために社員はどんな行動規範で社員として存在する、という社員の規定をする場合が多い。
この企業における<憲法>が社風を決め、事業ドメインを決め、事業計画を決定するのです。
有望な企業経営者というのは時代の変化、市場環境の変化を感じ取って、自社の事業領域を再定義して社員の品質も再定義するのですが、その際、企業理念もたくみに変えていくのです。
一般に変革というのは痛みを伴う。人間というのは今までの自分の否定というのは出来ない。
過去に成功した体験があるほど変革は出来ない。
そういう企業を変革するのは並大抵ではありません。

野村ホールディングスの話から随分大きくなっちゃったけど、野村もグローバルなところで成功していくには変革、DNAを変えないと駄目ということを言いたかったわけです。

それから今アジアは大成長の前の一休みというところでしょうけど、日本企業にとってはチャンスでもあります。
しかし企業を変革しないとグローバル競争には勝てない。

日本の上場企業への投資を考える場合、その企業の経営者が本気に変革する気があるのか?というところがポイントじゃないかと考えています。
 
posted by WOODY at 19:40| Comment(0) | TrackBack(1) | 旧カテゴリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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