イスラエルのガザ攻撃によって中東情勢は緊迫しています。
financial times (インターネット版)の29日20時の記事の時点で、最低でも325人が死亡し、900人が負傷。その内120が重症で、今後も死者が拡大する見込み。
中東紛争の歴史の中でもっとも大規模で死者を出した攻撃といいます。
http://www.ft.com/cms/s/0/ae47e0da-d5da-11dd-a9cc-000077b07658.html

図にあるように、原油価格は42.2と10%上昇、金は889.55と1.5%の上昇です。
一方で昨夜のNY市場は大幅下落8,483.93と下落。
ということで波乱含みの一年が終ろうとしています。
国際社会(国連安全保障理事会)は暴力の即時停止を求める声明をだしましたが、ハマスのロケット攻撃に対する自衛を主張するイスラエルを指名できなかった。
アラブ勢力はイスラエルに反発する一方、米国はイスラエルの行動を容認している。
来年1月20日のオバマ大統領就任前というタイミングを狙ったという見方もあります。
いずれにしても空爆を続けているイスラエルが、予備役7000人を招集すると決めたことで地上戦となる可能性もあります。
さて、そろそろ年末ですので、少しずつ来年いったいどうなるのか?
ということを考えている人は多いと思います。
経済情勢を考えると余り明るく語ることは出来ませんが、確実なことは、
価値観の対立
による議論が起きると思います。それは単一的な問題でなく、いくつかの軸にわたると思います。
今日気になった中東イスラエルの動向も、いくつかの軸の一つでしょう。
これまでの世界の経済構造の一部は、欧米(アメリカ、英国、欧州、イスラエル)による資源と金融の支配構造であったことは確かです。
資源(ダイヤ、金、石油、希少金属)の価格は複雑な金融市場の構造によって価格決定権はユダヤ勢力によって支配されていた。
グローバル化はその中で新興諸国の資源や労働力の搾取と引き換えに、金融システムに取り込むことで富を先進国に移転するという意図があったとソロスは解析しています。
アメリカを中心とした金融システムの瓦解は、同時に台頭してきているロシアやブラジルなどの資源リッチ、盛んに資源国に投資をしている中国勢力、世界中の企業買収で勢力を拡大しているインドなどの存在感を際出させています。
そういった中で、価値観の対立、議論が盛んに行われ、価値観修正が行われていくことになると思います。
資本主義(金儲け追求主義、市場原理至上主義、自由競争主義
と
社会・国家・地球環境の利益
との対立も当然激化することは避けられない。
米国のビッグ3の自動車業界や金融機関の経営悪化による、公的資金注入が進められています。
その過程で利益を上げた報酬として高額な給料を取ってきた経営陣に対しての批判はすでに出ています。自分達が利益を出している時は高額な報酬を得ておきながら、いざ苦境になったから今度は税金を安易に投入していいのだろうかというものです。
地球環境の利益 いわゆるsustainable for earthというのはもっとも欧米の年金などの機関投資家の問題意識を刺激している言葉です。
アル・ゴア元副大統領の設立した投資会社 generation investmentは、
地球温暖化問題
貧困の断絶
疫病の絶滅
資源循環型社会
水の保護再生
というキーワード(クライテリア)で投資を進めています。
投資である以上、利益の上げることを目指したビジネスモデルに投資している。
VC投資、企業投資の価値観も変わりつつある。
日本のメディアでも最近電気自動車へ日本企業が参入している例が紹介されています。
しかし単体の製品市場以上の変化が押し寄せてきています。
(続く)