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2009年01月19日

モラルなき利益中心は国・組織を滅ぼす

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今は経済生態の変革期。
変革期とは主役が変ることです。
国や産業、主軸通貨、価値観、社会のシステム
経済生態変化の視点でコラムをお送りしています。

新しい時代へのヒント
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 少し辛気臭く小難しい話を書きましょう。

古典孟子には次のような話があります。

孟子見梁惠王、王曰、叟不遠千里而來、亦將有以利吾國乎、孟子對曰、王何必曰利、亦有仁義而已矣、王曰何以利吾國、大夫曰何以利吾家、士庶人曰何以利吾身、上下交征利而國危矣、萬乗之國弑其君者、必千乗之家、千乗之國弑其君者、必百乗之家、萬取千焉、千取百焉、不爲不多矣、苟爲後義而先利、不奪不?、未有仁而遺其親者也、未有義而後其君者也、王亦曰仁義而已矣、何必曰利
(梁恵王章句上)

 孟子が梁の恵王にお目にかかった。

 先生、千里もの距離の遠い距離をお越しいただいたからには、わが国にどんな利益を与えてくれるのでしょうか?

と、王がいうと、孟子は、こう答えます。

王様はなぜ利益のことばかりいうのでしょうか?
国を治めるのに重要なことはただただ、仁義あるのみです

(王様のように)一国のトップである王がどうしたら自国に有利になるのかと常にいい、大夫はどうしたら自分の家に利益があるかといい、役人や庶民はどうしたら自分に利益になるのか、とばかり言って上から下まで誰もが自分の利益を追いかけることばかりになると、かならず国家存亡の道に立たされることになるでしょう。

 だいたい、万の領地を持つ大国でその君主を殺すものがあるとすれば、それは千の領地を賜っている家来です。千の領地を持つ国で君主を殺すものは、それは百の領地を持つ家来です。

万では千、千では百というと国家の10分の一もの領地をもらう重鎮の地位の家来です。彼らがそういう地位でも満足せず君主を殺し、全部取ろうとするのは仁義よりも利益を優先するからです。
 
古から仁を大切にしたもので親を粗末にしたものはありません。また義を大切にしたもので君主を軽く見て侮るものはおりません。
 
一国の君主というもものは、たたただ仁義のことを第一義としていっていればいいのです(国は治まるのです)
 
王よなぜそう利益のことばかりおっしゃるのでしょうか。

この話のいわんとしていることは、

 組織のトップが道義や仁(愛情や誠実さ)を大切にしないで。自分の利益ばかり考えていると、組織全体に利益だけの考えが蔓延してついには。上下が自分の利益しか考えなくなり崩壊する

ということでしょう。

 現在でも、政治経済においても同様のことがいえましょう。
 
自分の利益しか考えない政治家。自己の利益しか考えない官僚。
 
孟子の言葉通り、官僚は政治家、果ては総理大臣まで馬鹿にしてがんとして天下りを確保しようとしていますね。
 
それを正すのは、上がだめなのだから、封建主義の古代中国とちがう民主主義の現代において、国民が確固とした意思を示すしかないようです。

 企業経営においてもそうです。

 昔の国を代表するような基幹産業のトップは<公>ということを大切にして、天下国家に仕えるという志がありました。決して自企業の私利私欲を優先するようなことはしなかった。

 論理的に正しいということを建前にして、国全体の利益や国の将来を慮るということを後回しにして、私利我欲を優先するように見えるのは私ばかりではないでしょう。

 企業は経済的利益を追求する集団であり、株主利益第一だという考え方もありましょう。
しかし、孟子の例のようにモラルを捨てた利益追求は結果的に企業を崩壊させてしまう。

なぜならば、利益を出すのは人間の集まりである情緒的有機的集団だからです。

道義仁愛という古典的な言葉にとらわれずとも、倫理、社会の利益という哲学・ビジョンが幹部従業員の能力向上の意欲を高め、企業の衰退・崩壊のストッパーの役割を
果たすことは間違いないと私は思っています。

上場企業でカリスマ経営者と持ち上げられた経営者でも、口では

顧客第一
社会貢献
未来の日本創造

みたいなことを言いながら、実際には会社の利益さえ踏みにじり自分の利益を優先する社長を何名か知っています。
 
言動を注意深く見れば、そういう経営者の本質はすぐに分かりますし、詳細に資本政策やIRの姿勢を観察すれば体質から、本当の姿が浮き彫りになります。

 そういう組織は社員の目はよどみ覇気がない。愛社精神がないのでオフィスは汚れている。受付の対応からして頓珍漢なことも多い。

短期的な虚栄はあっても長期の繁栄はまずありません。

私たち投資家も利益ばかりに目をとらわれず、その企業の体質、とりわけ核となる経営者の姿勢、哲学をしっかり見極めることが大切だと思います。

この不景気は株式投資にとって割安投資チャンスでもあります。

こんな時期だからこそ、景気のいい利益を上げる企業、上げそうな企業に目がいってしまいます。

しかし後になって<割安>の評価を受けるような企業は、長期で利益を出せる体質強化に励む企業なはずです。
短期の利益や、妙においしい話ばかりする企業は虚栄の可能性があるのです。

組織を犠牲にした利益中心の短期虚栄企業なのか
組織を育てた体力強化の長期繁栄企業なのか

見極めは難しいのですが、その見極めが、投資リターンがゼロか年利回り15%以上になるのかの差になると思います。
posted by WOODY at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済生態概論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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