これまで中国ビジネスといえば、
@中国で安い労働力を目的とした製造業
A進出してきた日本企業の従業員向けのビジネス
が主体でした。
世界の工場といわれる中国で、安いモノを作り、日本へ輸出する、もしくはアジアへ輸出するというビジネスサイクルに沿ったものです。
一方で沿岸部の旺盛な経済成長で、中国ではものすごい勢いで富裕層が増えています。
とりわけ商業(輸出)の中心である上海を中心とした沿岸部、香港・シンセンを中心とした華南沿岸部では富裕層が増えています。
こうした富裕層は中国国内消費の主力で、不動産ばかりでなく高級ブランド品の主力購買層です。
海外旅行などにおいても、日本ではブランンド品や家電製品、化粧品などを大量に購買しています。
さて、こうした富裕層の存在は、中国に進出する日本企業にとっても大きな機会となりつつあります。
小売やサービス、飲食などの面において<日本>独自のブランドや業態が中国富裕層に受け入れられ始めています。
例えば、日本料理店といえば、北京や上海、シンセンなどでも主要顧客は日本人の駐在員が主体でした。
ところが最近は、中国人の顧客層が本当に増えています。
日本料理店は物流などの関係で、刺身などの価格は日本に比べて割高な設定です。
しかし土日などは家族ずれの中国人顧客で賑わっています。
様子を見ると一般的な日本人顧客よりもはるかに客単価は高い。
日本国内では中国人富裕層の旅行客に対して、様々な物販、サービスの提供企画を打ち立てている企業が沢山あります。
旅館やホテル業界
メディカルツアリズムを提供する旅行業界
家電業界
などなど。
しかし私が思うのは、わざわざ、中国富裕層を日本に呼び込むビジネスなどを考えずに、こちらに進出してビジネスをした方がはるかに成功率は高いのではないかと。
日本に招き入れるだけでマーケティング的に一苦労ですし、旅行先のライバルとして台湾、シンガポールなどが安い航空料金などで国を上げて招聘しているからです。
マレーシアやシンガポールにはカジノもあります。
だったら、中国富裕層が好みそうなビジネスをこちらで展開した方がいいでしょう。
もちろん、地の利が必要ですし、言葉の壁もあります。
しかし富裕層のマーケットは巨大ですし、今なら競争があまりありません。
なんで挑戦する人が少ないのでしょうかね。