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2011年09月02日

成功を誇示するよりも失敗の管理の法が大切



 人間は<成功>というものに限りなく憧れを持ちます。
 
 そして<成功した人>というものを崇め、尊敬する傾向があります。

 ですから雑誌、テレビ、新聞などマスコミには、その時その時の成功者のインタビューや評伝がよく掲載します。
  
 一方で一度成功者として陽の当たる舞台に立った人でも、一度、倒産など失敗してしまうと、マスコミは何もなかったかのように、忘れ去ってしまいます。

 皆さんも、ベンチャー企業の経営者としてマスコミに華々しく登場していた人が、落ちた鳥となって、忘れ去られている人、何人かは記憶にあることだと思います。

 一般に、倒産など決定的な失敗をしてしまう人の多くは、成功している場所にあぐらをかき、奢り、判断を間違うことが原因です。

 成功した自分が失敗するはずがない

と頂点に立った人の多くはそう思うようです。


 成功の程度がどれだけ大きくあろうが、問題はない

 しかし失敗は程度によって、<いい薬>となる場合もあるし、<決定的な崩壊>までレベルがある

 したがって、経営者としては、成功の分析や有頂天になる時間があったら、

 失敗の管理

に気を配るべきなのです。

 人生においても、経営においても、心に思うこと全部が思い通りになることなんてありません。
 むしろ障害の方が多い。

 いくら努力してもうまくいかないときもある。

 不慮の不運が見舞うことがある。

 だから、成功成功と前につんのめるばかりでなく、

 仮に失敗した場合の程度の管理

が大切なのです。

 かすり傷なり軽傷ですむ失敗

を重視すべきです。

 成功かもしくは崩壊

という道を知らず知らず選んでいる人は本当に多い。
 とりわけ前にしか進まない、ブレーキのない<いけいけどんどん>型の経営者に多い。

 私はかつて大成功して日本一になった後、経営的な失策によって零落して再起を目指している経営者の方、何人も知遇を得ました。

 再起を目指しているこういう人たちは、いずれも全盛時はいけいけ型の経営者でした。

 そして不思議なことに失敗して地に落ちた現在でも、真に失敗の分析や検証をしておらず、

 また一発成功すればいい

と思って再起を目指していることです。
 これらの再起を目指している経営者の方は、いまだ一度として経営者として浮上していません。

 やはり、常日頃から、成功よりも失敗の管理、これを心に焼き付けていないと、いけいけ型の考え方は治らない。

 失敗というのはそういう意味で、成功よりも大切なのです。
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2011年08月30日

優秀な経営者は自然と優秀なイノベーターである



 イノベーションについて、いろいろ書いていますが、実は優秀な経営者は自然に優秀なイノベーターなのです。

 常に未来を見据えている
 顧客へより高い価値を提供することを考えている
 事業のアイデアを常に考えている

 私が出会った優秀な経営者の多くは上記の要件を満たしています。

 特別な経営の本を読んだり、多角化や商品開発のセミナーにでなくても、こういった経営者の方は、朝から夜まで自分の事業のことを考えています。

 そして常に変化に備え、自ら変化します。
 
 優秀な経営者の多くは、

 安定に安住せず、常識に依存しない

のです。

 企業経営というものは、真剣に取り組めば取り組むほど、あらゆることを得ることが出来ます。


 成功や失敗からは人材の成長
 売上の急激な変化からは市場(顧客ニーズ)の変化
 ピンチにあってはその危機をチャンスにする能力
 安定にあってはその危険性

などなど学ぼうと思えば、沢山のことを学べます。

 ですから、経営に極度に集中することによって、経営者は優秀なイノベーターになることが出来るのです。

 どんなコンサルティングも研修も必要ありません。


 ですから、経営者のかたはまずは自らの事業を深く考える。それがイノベーターへの第一歩なのです。
 
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2011年08月29日

イノベーションのための組織

 ルーティンな業務組織ほど、イノベーションに程遠くなるものです。
 それは当然で、優秀なマネージャーならば、できるだけ無駄を省き効率化や標準化を行うからです。
 組織は日々の業務の処理に集中して、マネージャーのタスクはスタッフが日々滞りなく業務目標を達成することになります。
 顧客クレームなど問題が起こると、<問題処理>に全力を上げます。

 一方でイノベーション(革新)は、既存秩序の創造的破壊です。
 これまでの自身の否定をしないと、イノベーションは生まれない。

 これは組織における、業務の生産性と革新性のトレードオフ、パラドックスの問題です。
 組織は、完成度が増せば増すほど保守的になり、常識にこだわる傾向があります。これは悪いことではありません。
 完成度の高い組織の象徴は官庁などの役所ですが、役所が毎日変わっていては業務は混乱します。

 一方で企業経営においては、常に新陳代謝が行われなければならない。
 
 一般に日本では<改善運動>などが行われて、製造業などにおいては、不良品率など一定の目標を目指して、業務の部分的な改善への取り組みがなされています。
 それはそれで必要な経営活動です。

 しかし、顧客価値を一変するようなイノベーションは生まれない。

 通常業務の組織から、一般にイノベーションは生まれにくくなるのが自然な流れでしょう。
 イノベーションはトップマネジメントが意図的に、進めないと生まれません。
 
 企業組織には、ラインとスタッフがあります。
 ラインとは営業や製造などその企業の主力組織。スタッフは経理総務などのバックオフィス機能です。

 イノベーションを生むための組織を考えるときに、ラインとして顧客のことを考える組織でいながら、組織から離れた、
 
 オフライン

の組織を別に組成する必要があります。

 これは、専任である場合が望ましいのですが、ラインから選抜して、イノベーションを生みだすことを考えるタスクフォースでも構いません。

 その場合、現在の仕事と常識が変わるわけですから、人選として柔軟性があり、臨機応変なセンスのある人たちを選定する必要があります。
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2011年08月28日

先見の明

 経営者にとって大切なものは、先見性でしょう。
 優秀な経営者は常に、競合他社や業界全体の動向を観察しています。
 また顧客動向や社会現象、新しいブームが自分の業界にどんな影響を及ぼすかについても深い関心をもっているでしょう。
 
 いわゆる先見の明

などといわれるものがあります。遠い将来の変化などを的確に予測する能力のことで、あの人は先見の明がある、というと、誰もが考えもしなかった時点で未来への準備や投資を行える人のことをいいます。

こうした能力は、先天的な要素ではなく、後天的な要素の面が強いのではないでしょうか。

 スカイツリーが建設中ですが、東京タワーの建設当時、誰もが、こんな高い電波塔は必要ないと考えていました。
 これを強引に進めたのが、当時日本テレビ社長であった正力松太郎であったといいます。
 正力はテレビ時代の将来を見いたとて、電波塔の必要性を強く感じていたといわれています。
 つまり、先見の明とは、独自のトレーニングなどによるものでなく、

 どれだけ自社の経営環境の先行きに危機感などを持っているか

ということだと思います。
 優秀な経営者ほど、社会や業界の先行きを読み、先手を打ちます。

 時間を経て検証しないとなりませんが、例えば、携帯端末の将来については、KDDIの会長の稲森氏、やソフトバンクの孫正義紙はそれなりの危機感などによる、将来像を持っているでしょうし、それなりの手を打ってあるはずです。

 自社の事業についてどれだけ深く考えるか

がすなわち先見の明なのです。
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2011年08月25日

情報の本質

 よく、マスコミの情報を鵜呑みにするな、と言われます。
 確かにとりわけ政治などの面において、情報はある程度、操作もしくは配慮される場合があります。したがって<深読み>する必要があります。
 今行われている民主党の代表選にしても、戦国時代の様相ですから、激しい情報戦が繰り広げられています。

 ビジネスにおいても<情報>については知っておかなければならないことがあります。
 新商品開発や業界動向など我々は、こうした情報を新聞雑誌から入手します。
 こうした新聞の情報には、一定のルールというか仕組みがあるのです。
 
 一般新聞には経済部という部門があって、この部門がビジネス情報を書きます。
 上場企業が発信する情報はリリースを中心に書かれるので、どこも変わらない。
 しかし、中小企業などの情報は、記者が足を使って書かれたものは実ほとんどない。
 その情報元は、専門誌です。
 日本には様々な専門新聞や専門誌が発行されています。
 また、実に多くの業界団体があって、業界情報を持っている。
 一般に専門誌はその業界の、特定の会社の記事であるとか、そういうものを集中的にフォローしていて、それを発信する。
 その中で面白い情報を一般新聞の記者が見て、再度取材して記事にする。

 そのような流れです。
 だいたい一般紙の記者というのはある程度知識はあるものの、全ての産業の知識を深く網羅しているわけではない。
 例えば、製鉄とか自動車、電機などの重要産業には専門の記者もいましょうが、新規の産業などの知識はそれほど詳しくない。
 そこで、どうしても時折、誤解であるとか微妙な違いが発生してしまう。
 テレビなどの番組制作部門は、もともと専門知識がある人間がいない上に、日々時間におわれている。
 必然的に端折った情報になりやすい。

 ですから、一般紙の情報にしても、一般雑誌やテレビ番組の情報にしても、本当に真実を知りたいのならば、<裏取り>をする必要があります。
 
 裏取りの一番いい方法はその企業に聞くことなんですが、それがはばかれるのならば、業界団体に聞くことです。
 
 確か、本屋にいけば、<情報源>とかそういった類の本が売っていますから、その本にあらかたの業界団体の電話番号が乗っています。

 業界団体というのは、天下りとか批判されますが、ほとんど暇人が多いみたいで、どんな取材にもこちらが驚くほど親切に説明してくれます。

 新聞などの記事は、その企業が発表した主観的な情報です。

 しかし、業界団体の人の情報は、第三者の評判を含めた情報であるので、誇大な表現であるとか親切に説明してくれます。

 仮にビジネス情報として検討して行きたいのならば、真の情報を獲得した方がいい。真の情報は下流のものでなく、源流に遡って獲得すべきでしょう。ho
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2011年08月24日

成熟市場を狙う



 <市場の隙間を狙え>とよく言われています。
 競争の激しい分野よりも、競争のない領域を狙う、というふうに考える人は多い。そして時にそれは正解です。

 と同時に実は、大きなチャンスが成熟市場にもあります。
 成熟市場とは、大手がひしめいてしまっていて、中小にはどう考えても参入は無理な分野です。

 日本において例を上げるのなら、
 
 旅行代理店
 出版
 書店
 コンビニエンスストア
 ドラックストア
 家電販売店
 銀行
 証券

などが挙げられます。
 こうした業界は、すでにシェア争いは終わり、敗者は淘汰され、合従連衡が起こっているような市場です。
 一見参入は無理そうなのですが、実は、過去の歴史を見ても、成熟市場は必ず最後にほかの業態によってとって替えられたり、別々の業態に別れて行ったりしているケースが多いのです。
 
 旅行代理店を見てみると、私はびっくりしました。
 大手3社(JTB、日本旅行、近畿日本)全て赤字です。
 各安のHISにしても、ROAは3%しかない。
 

 インターネット系が伸びているようですが、楽天トラベルにしても利益率がどれくらいあるかわかりません。
 中国ではCTRIPというネット専業のサイトがありますが、ROAは9%、
 ROEが18%もある。
 
 私もここを利用していますが、びっくりなのは、予約して頼めば、家までチケットを宅配してくれることです。支払いもサイトでカード決済以外にも、、宅配時に係員に現金払いか銀聯カードで払うこともできる。

 CTRIPは米国ナスダックに上場しています。

 日本ではネット専業はあっても、こうしたサービスを提供しているところはありません。
 今世界中でWEBサービスが既存サービスの代替サービスを提供しているケースが多く、日本においても、チャンスは必ずあると思います。

 電子出版が始まったばかりの出版などはその例でしょう。

 なにも丸ごと既存の産業そのものを奪う必要はなく、部分的な代替も十分にありえると思います。
 
 金融決済などの分野においてその要素は顕著です。

 証券などもネット証券が日本で一気に広がり、今は成熟というより過当競争状態です。 こういう業界もやがては代替的なサービスによって、分化されるなりするのではないでしょうか。
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2011年08月23日

正しい非常識を見つける

 業態のイノベーション(新規創造)は、現在の市場と潜在的にある顧客ニーズとのギャップを探し出すことにあります。
 例えば、焼肉屋の牛角という業態がありますが、あの業態は若い人に安い単価でオシャレな雰囲気で焼肉を提供する、というものでした。
 今では同業が沢山ありますし、当たり前のようになっています。
 しかし、最初の店舗が出たとき(1997年頃だと思う)はそういう店は全くなかった。
 当時の焼肉屋とは、上野や赤坂などに良くあるような韓国式の焼肉屋か、ファミリー向けの焼肉チェーンだけでした。
 ですから、VC内で検討しても、若い女性は臭いが気になるのではないか?とか、同じようなコンセプトの店舗がない、という意見がほとんどだったそうです。
 <若い女性は焼肉の臭いを嫌う>というのが常識で、だから、そういうお店は一般に広がらないのではないか?という風に考えられたのです。
 また牛角は今はどうかしりませんが、コスト削減のためほとんどを業者にカットさせて従業員は皿に定量を載せるだけ、つまり調理をしないオペレーションでしたし、ユッケやレバ刺しなどもありません。
 当時の焼肉店のコンセプトとは違ったわけです。
 ところがこのコンセプトが大受けして、今や何百店舗という数にまで増えています。

 このように、我々が一般的に何気なく感じている<常識>という裏には、潜在ニーズを掘り起こした<正しい非常識>というものがあるのです。

 
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2011年08月08日

【イノベーション講座】事業とは育てるもの

 こういう仕事をしていると、いろんな人に会います。
 香港には様々な人が来ます。
 アジアで仕事を始めよう、と会社設立する人、これは稀で、多くの人は資産運用関連の人だと思います。
 自分で資産を持っていてその資産を運用するスキームを作りたいという人も実は稀で、多くはそういう顧客のためにスキームを作ろうとする人が圧倒的に多い。
 さらにその中に実際にお客さんがいる人は稀で、スキームを作ったり、作り方を調査、確認して、日本で顧客へ営業しようという人の方が多い。 

 つまり、ブローカーみたいな人が最近は多いようです。

 私は香港を離れて2年で、北京、シンセンと実業関連の仕事が主体です。香港は隣町なので月に1、2回は友人と食事をしに行きます。

 状況は上記のようで、私が香港にいた頃と変わりないようです。

 香港はアジアの金融センターであり、貿易の中継地です。
 だから、香港の仕事の多くは金融(投資、融資、財務)関連か、不動産関連か、貿易関連になります。
 貿易や金融の仕事の中でも、顧客に対して知的価値を提供している、いわゆる実業に近いものもありますし、全く架空や夢に近い話を相手にするいわゆる虚業に近いものもあります。
 
 ですから<ブローカー>がいいのかどうか、は一概に論じることはできません。
 しかりとりわけ、今の経営者もしくは起業家希望の方について言えるのは、

 目先の利益中心

の感がとても強い。
 このブログの中で書いていますが、利益追求が悪いとは言いません。むしろ利益は大切で、利益が出ることを真剣に考えて事業を進めなければならない。

 私は<少し違うな>と違和感を感じるのは、

 自らの知恵や労力で事業を進める

という人がとても少ないことです。

 日本でも代理店とかアフィリエイトとかいうビジネスが増えています。

 例えばある金融商品なり、不動産商品、ツアーでもなんでもいいですが、そういう商売(これを彼らは商材という)を、自分のWEBやメールマガジンなどで募集して、香港やシンガポールの商売の元締めに紹介して商談成立となれば手数料を支払う。

 香港の元締めの方は日本の代理店のことを<エージェント>と呼び、彼らを利益で動かして集客、営業をする。

 そういうビジネスモデルがあちらこちらで見聞きします。

 私はこういう風潮を<ブローカー経済>という風に名付けています。

 元締めにとってもエージェントにとっても、利益で結びついた、いい商売の形ですね。

 しかし、そこには、新しさや、創意工夫や提供する側の熱意とかありません。
 
 エージェントの側には商品へのレスポンシビリティ(責任感)とかほとんどないでしょう。

 なんでもニーズがありそうで、利益になるなら、パクッと食らいつく。

 ブローカー経済というのは、イノベーション経済と全く反対型の概念であり構造です。
 社会の進歩や革新にまったく役に立ちません。

 人間というのは、動物との違いは<プライド>なんです。

 だからプライドを捨てちゃった人達に何を言っても仕方ありませんから、私はそういう考え方の人とか関わらないことにしています。

 何よりも、その時その時の風任せの仕事ですから、いわば焼き畑農業のようなもので、来年、再来年のことなんか考えていない。

 事業というものは、種をまき、芽が出たら水をやり、育てていくものです。
 その対象は顧客でもあり、従業員でもあり、商品やサービスでもあります。

 そういうプライドや志は、ビジネス以前に大切なものだと思っています。

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2011年08月07日

人が企業を救う

 イノベーション的なアイデアを出すことよりも、イノベーション的なアイデアが湧き出て、それを実践する組織の方が、企業成長にとって、何よりも重要なことです。
 <組織は人なり>といいます。
 岡山にクロスカンパニーというアパレル業界では新進の企業があります。
 http://www.crosscompany.co.jp/

 ウィキhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%8B%E3%83%BC

 日経ビジネスの特集http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110419/219497/

を詳細は読んでいただいて欲しい。
 1994年創業のこのアパレル企業は、レディスを中心に創業20年にもみたない企業。しかし約400店舗、年商は410億円(2010年度)と、成熟した日本の消費市場では異例の急成長です。

 この企業の特徴は通常販売員は契約・アルバイト社員が多いアパレル業界において、あえて正社員雇用をして、社員のライフプラン充実のための支援を惜しんでないこと。
 さらに組織全体を風通しのよいものにする工夫にも努力を怠りません。

 この企業の現在の成長ぶりは、人件費カット、カットでコスト削減をしてきた日本の中堅中小企業には大きなヒントになるのではないか、と思います。

 従業員(人)というのは、経費だとしか思わなければ、その分しか働かない。
 しかし時に売上を獲得し、時に問題点をチェックしてくれる、あるいは創造的なアイディアを出してくれる資源という風に考えれば、資源への投資は惜しむべきでへありません。また資源だと思ってくれた人はその通りに結果を出すものです。

 口では人は財産、といいなながら、頭の中で算盤勘定ばかりしている経営者は多いものです。
 
 それに、今は不景気だ、仕事がない、とマスコミでは言われていますが、長期的な需給関係からいえば、日本は労働力不足です。
 ですから、人材を育てるということは昔よりもはるかに重要なテーマとして捉えていいのではないでしょうか。
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2011年08月06日

【イノベーション講座】アイデアもタイミング次第

【イノベーション講座 組織マネジメント】
アイディアもタイミング次第

 このブログを読んでいる人は、<イノベーション>を起こしたい、あるいは自社の企業の中からなんとか画期的な商品やサービスを生み出したい、と考えている方、もしくは起業を検討している人、という風に想定しています。
 そうでないただ読み物として読んでいる方もいるにしても、これまで書いてきた内容が、商品やサービスの具体的な発想というよりも、概論や組織論が主体であることに違和感を感じている方もいると思います。
 
 しかし、実際のところ、イノベーションが生まれるのに大切なのは、一人の天才の閃きではなく、イノベーションが生まれる土壌やタイミングなのです。
 以前の稿で紹介したような発想ゲームをいくらチームを作って、アイデアを出したりしても、企業として成功するかどうかは別別問題です。

 仮に画期的なアイディアがあったとして、その技術開発が進んだとしても、

 ○技術を提供するに見合うコスト
 ○その技術を商品化し顧客に提供するマーケティング組織

が必要です。それは企業努力も必要でしょうし、タイミングという問題もあります。

 例えば、アップルのIPHONEやIPADについて説明しましょう。

 手のひらサイズのコンピューターというコンセプトは、随分昔からありました。

 私は昔「シリコンバレーアドベンチャー」という本に夢中になりました。




 95年に日本で出版されていますから、少なくとも90年代始めのコンピューター草莽期の出来事だと思います。

 主人公のベソスはシリコンバレーの技術屋なんですがロータス123という今ではIBMに吸収された表計算ソフトの創業者とともにペン入力のパームトップ型のPCを開発する、という実話です。
 ちなみにロータスはエクセルが出る前は圧倒的な、シェアを握っていた表計算ソフトです。

 90年代当時から、PCの小型化の試みはシリコンバレー各地で起業化されて行われていました。
 ペンコンピュータのこのストーリーにおいてもマイクロソフトや当時CEOがジョンスカリーだった時代のアップルも登場してきます。
  結果的に、ペンコンピュータは資金切れで終止符を打つことになります。

 秀でたアイデアだったのですが、

 CPUの速度やメモリの値段が追いつかなかった
 当時大手(マイクロソフトやアップル)の競争はデスクトックとOSの競争で、各社(IBM、MS、APPLE)は全ての資源をOSのシェア獲得に投入していて、パーム型の小型端末の優先順位は低かった。

 という環境がありました。
 ペンコンピュータの資源は、忘れましたが、どこかのソフトウェア会社に引き継がれたのだったと記憶しています。

 さて、アップルとマイクロソフトのOSシェア争いはマイクロソフトの圧倒的な勝利に終わり、1980年代終わりにはアップルは深刻な苦境に立たされました。
 その時に、1985年に自ら創業した会社を追い出されていたスティーブジョブスはアップルに復帰します1997年のことです。

 アップルはジョブスの復帰後にimacなどの新商品で業績を回復し、ipodの爆発的ヒットで会社を立て直します。

 その後ipadの開発、発売ということになるのですが、その背景には、

 メモリーデバイスの技術進展とコストダウン
 バッテリーの高性能化
 CPUの高速化と省電力化

という背景があったことは見逃せません。

 いくらいいアイデアであっても、それが実現するための環境を見極めないといけないでしょう。
 アップルに関していえば、技術開発力もさることながら、マーケティングに秀でていることで有名です。

 顧客サービスならびにマーケティングというのは組織で行うものです。
 やはり人材の教育と育成に時間をかけて行わなければなりません。

 世界を変えるようなイノベーションも、アイデアだけではだめで、タイミングとそれなりの組織マネジメントが必要なのです。
 
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2011年08月05日

【イノベーション講座】可変要素を見つけ出す

 昨日のブログでは、<創造的危機感>のある組織をつくるためには、社員全員が変化に対して敏感になる必要がある。

 そして、社員にあまり難しいことを要求しても、ややこしくなるので、


 顧客を徹底的に観察せよ

ということを書きました。
 今日は経営者として、どういう風に<変化>への対応力を備えるべきか?ということを書きましょう。
 私の知りうる限り、日本人というのは、

 勝利の方程式

が大好きです。
 また水戸黄門などに代表されるような予定調和的なドラマも大好きです。
 ハラハラドキドキ、でも最後は安定的な結論で終わる。

 経営においても、そりゃ、誰でも、<勝利の方程式>が欲しい。
 ところが、どっこい、この世の中は常に変化しています。
 だから、2年前くらいにはベンチャーの雄みたいに賞賛されていたカリスマ経営者が、見るも無残な失敗経営者になっている。
 皆さんの中で、数年前のビジネス誌を保管している方がいるなら、見てみると面白いです。
 トップインタビューで雄弁に語っている創業社長の会社で、現在も順調な企業は非常に少ない。

 なぜこんな事態が多く見られるのか?
 昨日書きましたように、油断とか自信過剰(奢り)とかありますが、直接的な原因は、
 変化を見誤る

こととその対応を誤る、ということにつきるのです。

 方程式的にいえば、戦後から経済成長期というのは、

Y(企業経営の結果)=ax(可変要素)+B(変動しない要素)

でした。とりわけ、Bの変動しない要素がほとんど固定していて、可変要素だけを考えていればよかった。
 企業は、いいものをより安く作って、一生懸命売ればよかった。
 そういう、あまり変化の枠がない、安定軌道の中にいるから、ちょっと突然の変化が起こると、対応できなくパニックになる。
 オリルショック然り、プラザ合意の円高しかりです。
 
 現代、今ついて考えてみると、

Y=ax+bx+cx。。。。

と可変的要素がほとんどです。
 それは世界経済のグローバル化、ネットの普及。あらゆる情報のオープン化などの要素が挙げられましょう。

 今円高傾向が続いています。日本の政府が介入して、円はちょっと安く戻しています。
 もともと考えてみると、こんなに政府債務が多く、消費市場の拡大が見込めない国の通貨がなぜ買われるのか、常識ではわからない。自然ではありません。
 しかし、円(日本)より、アメリカ(ドル)、EU(ユーロ)の方がより深い問題を抱えている。だから円に資金が逃げている。ということのようです。
 しかし、10年くらいのスパンで考えると、債務が増え続け、経済の停滞が増えるといつの日か、ダムが突然決壊するように、雪崩を打って売られる日は想像に易くありません。
 ただ、アメリカ、ヨーロッパの経済情勢の変化とのバランスにおいて円高なだけです。
 だからとても未来を予測することは難しい。

 さて、経営において可変要素ばかりだ、という話に戻ります。

 変化が激しいといいながら、実際に変化というのは、木が太陽を浴びて生育していくように、少しづつ少しずつ変化している。
 突然目に見えて変化に気がつくことはありますが、実際には、その背後で少しづつ変化が信仰しているものです。
 
 ですから、経営者の方は、ご自身が経営環境に考えるときに、

 ○あらゆる可変要素を細分化する
 ○その細分化要素を徹底的に定期観測する

ということは基礎的な分析として必要でしょう。
 顧客の観察の基礎は、データです。
 最初は基本的なデータ分析なのですが、そのうち、色々な分析の視点が見えてくるはずです。
 それは、どんな産業、市場についてもいえることだと思います。
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2011年08月04日

イノベーション講座 創造的危機感を育め

【イノベーション講座 組織マネジメント】

 <創造的な危機感>を大切にする。

 私が以前在籍した会社は、毎年中期経営計画を合宿で作成して、発表会をしていました。
 10年くらい在籍したのですが、分かったことは、

 @毎年、どう考えても無理な数値計画を立てる
 A各事業部長は口八丁で、大風呂敷を敷くタイプが多い
 B発表会や後の飲み会で社員は、本気で実現出来ると信じて、一致団結する(感じになる)一方で、醒めた人間は冷遇されてていく。

 という感じでした。典型的ないけいけどんどん、前にしか進まないワンマン企業。

 さて、毎月幹部会といのがあるのですが、もちろん大幅未達。各事業部長の発表は未達の理由と、次月は必ず売上が目標ペースになるという趣旨です。
 これが、ほぼ一年間続きます。
 
 だいたい半期をすぎるくらいになって、社長がいよいよ大変だ、ということになって、朝礼などで盛んに危機感を煽るようになります。

 その会社は私が在籍していた時(1992年―2000年)は何度か奇跡的な商材に出会うことが出来て、業績を拡大していきました。

 だいたい残り四半期になって、会社全体が死にものぐるいになって営業した結果です。
 会社を退社するときに、こんなイケイケの体質で大丈夫かな、と思っていましたが、案の定、とても儲かった時期(2002年―4年)に、新規事業で子会社を乱設立させて、その新規事業が全部うまくいかなくて、現在は債務超過。
 私はやめた時には、株式数もそれほど多くなく、株価は8000円くらいだったのですが、2004年以降に増資を繰り返し、今年になっての株価は10円以下をウロウロしています。
 在籍当時は投資部門のマネージャーだったので、売上数値には関わっていませんでしたが、他部門の部長クラスの人間と夕飯を食べていると、「今我が社は創業以来の危機である」と当時の創業社長の言葉を繰り返していました。

 上場までした立派な企業が何故危機に陥るのか。前期には50億も純利益を出していたのに、今季はなぜ30億の赤字となるのか。

 ほとんどのケースは、

 油断 (まあ、自分たちは大丈夫だ、という組織全体に漂う油断)
 リスクマネジメントの欠如(過剰な投資、ゆるいコスト管理)

 もちろん、経営者の意思決定、決断が最終的な責任の行き着くところなのですが、赤字に至ってしまうのは、

 企業の組織体質

にあるのではないか、と経験をもとに思っています。

 自分たちは大丈夫
 上がなんとかしてくれるだろう

という風に、組織全体が危機を危機として体感せず、上に依存してしまう。
 そうなると、実感としての経営危機は組織に実感されない。現実的な人間は早々に退社してしまし、残っているのは安閑と惰眠を貪る人間だけになり、いつの間にか泥船と化す。
 トップや幹部層に危機感がないのは、どこかの国も同じでしょう。

 企業にせよ、国家にせよ、

 やばい、危機だ

という時には、かなり重症の場合が多い。
 ですから、<創業以来の危機>みたいな悲愴な感じが組織全体に行き渡るようでは、もう遅いのです。

 ではどうしたら、いいのか?

 それは、

 「創造的危機感」のある組織を経営者が作り上げるということです。

 このブログの中で、

 イノベーションとは問題を機会とすること

であると書きました。

 悲愴的危機感の組織では、問題はどうしようもなく解決への道がこんがらがってしまっているものです。

 危機の兆候、問題の兆が見えた時に発見し、問題を機会とするくらいの創造的な解決を行える組織、そういう組織を健全に運営する努力を経営者が行なっていれば、悲愴的な危機には陥りません。
 かりに嵐のような危機に見舞われても、なんとか回復できます。

 創造的危機感のある組織

とは、根本的には、社員それぞれが変化に対して敏感であり、その変化に対して、創造的に対応する、ということです。
 <変化に対して敏感になれ>と経営者が言っても、社員には難しい質問でしょう。
 言葉を替えていうのならば、

 顧客について徹底的に観察せよ
 同業者他社について徹底的に観察せよ

とりわけ、顧客にフォーカスする組織、この意識付けが最も重要です。
 
 どんな商売でも顧客に満足する価値を、満足する価格で提供し続ければ、発展する方向しかないのです。

 
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2011年08月03日

【イノベーション講座】勉強は自習が基本

 今日は多くの経営者(あるいはビジネスマン)の方を敵にしてしまうかもしれません。
 アメリカやほかの国の事情が一体どうなのか知りませんが、私の知りうる限り、日本人はとても勉強好きです。ビジネスについていえば、セミナーや勉強会がてんこ盛りで開催されています。
 経営に関していえば、

 新規事業セミナー
 人材育成セミナー
 人材採用ノウハウセミナー
 財務管理セミナー
 節税セミナー
 著名経営者による成功体験セミナー

などが毎日のように開催されています。
 私は以前、とある経済雑誌が毎月開催しているセミナー&パーティに縁あって、お手伝いをしたことがあります。
 お手伝いといっても、当時顧問をしていた会社の会長が、その雑誌社のセミナー部門の部長と親友だった関係で、会場整理とか簡単なものです。
 セミナーは毎回、著名な創業社長であるとか、時の人を招いて講演を1時間程度聞いた後に、立食形式で懇親パーティをする、というありきたりのものです。

 講演者が、有名な社長だと500人以上参加することもありました。
 パーティでは壇上のその社長と名刺交換の列で100人以上も並んでいたこともあります。

 冷静客観的に見て、そうした著名社長は、人前で話すのに手馴れており、聴衆を時事ネタで笑わせ、あまり新聞ネタにならない面白い話をしたり、経営での苦労話など、面白いものです。

 しかし、そんな話は本当に経営に役に立つのか?と疑問に思ったことは何回もあります。
 参加者の方も有名経営者と名刺交換したり、写真を一緒に撮影するのが目的みたいな人も沢山いました。

 多くのセミナーの参加者には、大事な会社経営の時間を削ってまで来ているんだ、という切迫感がまるで感じられない。

 海外進出セミナーなんていうのもありますが、これも、いかにビジネスチャンスがあるか、どんなメリットがあるか、何件かの成功事例の羅列が主体がほとんどです。
 参加者の方も、ほぼ<お勉強モード>で、メモを片手に一生懸命、レジメになにやら書き込んでい
 
 稲盛和夫氏の著作にあった話だと思います。
 とある有名コンサルタント会社が開催した合宿型セミナーに本田宗一郎が来た。
 作業服姿で来た本田氏は、聴衆の前でいきなり、

 こんなくだらないセミナーに参加している暇があるなら、すぐに帰って仕事しなさい

と言い放ったそうです。
 稲盛氏はその夜に、宿舎を出て会社に戻った、たしかそんな内容だったと思います。

 勉強好きは大変結構なことです。
 しかし、セミナーや勉強会に通うことに、どれだけ切実さがあるのか、あるいはそういうセミナーに行くことがあなたにとって娯楽と化していないか。
 そう思うことが多々あります。

 これは海外視察ツアーについてもいえます。

 例えば、中国にせよ、タイやベトナムにせよ、多くのセミナーが開催されており、時折事業進出のための視察ツアーというものが開催されています。
 セミナー開催しているのは、進出コンサルタントです。受注のためのツアーなんです。
 だからしょっぱいことは言いません。
 いい面をまず見せて、悪いところはあまり言いません。

 何から何まで便利にスケジュールが手配されていて、ホテルもそこそこいいところで、美味しい食事、時折楽しい夜のひととき。
 成功している進出例を見て、そういう社長の話を聞く。
 それで果たして、海外進出なんて出来るのか私にはわかりません。

 またこれはシンセンの話なのですが、こちらに来て20年という日本人経営者の方と話をする機会がありました。その社長がいうのは、

 昔はずいぶん、中国の様子や進出について話をしてくれと訪問を受けたが、最近は全部断っている

 ということで、理由は、

 ほとんどのツアー参加者は<お勉強モード>で、本当に検討しているという気概が伝わってこない。
 情報だけ来ているという感じで、時間の無駄に思える

ということでした。


 全部お膳立て、受身のお勉強なんていうのはまったく役に立たないばかりか、相手に失礼だな、とその時感じたものです。

 本当に海外進出を考えるのなら、一回くらいは、ツアーでも構いません。
 ただ、一回きりの視察では決められるわけがありませんので、次回から行くときには、せめて単独で行くべきでしょう。

 それから、情報はただではありません。
 情報はその字の通り<情>が必要なのです。
 これは、という人を師匠にしたいと思うのなら、菓子折りの一つ手土産に持っていく、きちんと心のこもった礼状を手書きで書く、という誠実さも必要だと想うんです。

 事業経営、人材育成や商品開発のアイデア企画にしても、海外進出にしても、解決策や答えはお金で買えないし、コンビニに売っていません。

 ただ、人間というのは孤独で行動するのはなかなか大変なものです。
 だからつい、勉強のためにセミナーなどへ行ってします。
 でもそういう選択肢は業者の思うつぼなんです。

 何かの問題意識がある。
 例えば新商品開発や業態開発、あるいはどこかの国へ事業進出する

というテーマがはっきりあるのなら、真剣に勉強しあう仲間を募って勉強しあう、切磋琢磨する、そういう方法もあります。
 私も、シンセン在住ですがそういう問題意識のある方々の私的勉強会なら、協力は惜しみません。
 
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2011年08月02日

【イノベーション講座】根拠のない自信を持て

【あげまんは催眠術師?】

 幸運を招く女性のことを日本ではあげまんといいますが、中国では幸福星(シンフーシン)といいます。
 ところで、日本の私の知人でそこそこの企業を創業、経営している友達M君がいるのですが、彼は独身の時はさんざん夜遊びざんまいで、仕事はやる気なしの、いわゆる「5時から男」でした。ところがとある女性と結婚した後に、仕事の成績が急激によくなり、独立して今では立派な中小企業の社長です。

 また、香港の友人でR君というのがいるのですが、彼も結婚前はマカオやシンセンで女遊びばかり、酒は浴びるように飲むという豪快な男でした。
 彼は家柄が良く、以前からそこそこの家柄じゃないと親が結婚を許さないといっていましたが、見合いで海南島出身の女性と結婚しました。
 R君の仕事ぶりや生活は相変わらず、友人と酒を飲み、中国大陸中を仕事で駆け回るということは変わらなかったのですが、いつの間にか今では日本の上場企業の香港子会社の役員をして、中国企業との提携窓口となっています。
 彼を見ていると、結婚後明らかに仕事運が上昇しています。

 さて、M君がなんで結婚後に仕事が真面目になって独立して成功したのか?それは、彼と酒を飲んだ時に聞いた話なのですが、結婚前の女性(今の奥さん)が、常に、
 
 あなただったら、絶対成功するわ

とことあるごとにいうらしいのです。
 それでM君は<暗示>をかけられたように、仕事にせいを出すようになったということです。
 一方で香港人のR君の場合なのですが、彼は中国人だけに面子があるだけにプライベートなことはいくら酔っ払ってもいいません。
 しかし夜彼の一家と一緒に食事したときに感じたのは、完璧に<尻に敷かれている>ということです。

 その奥さんは、物静かな美人で、いかにも教育されたという感じです。香港のバスや地下鉄にいる普通のおばさんのような<喧しい>側面はありません。
 しかし、腹が座っているというか、M君や子供を含め完璧にコントロールしているのがわかります。
 M君も一応主人としてレストランでは財布を握り、注文をしているのですが、奥さんの存在感はすごくあります。
 M君について明らかに言えることは、結婚後、子供が出来てから、少しずつ、自信家になってきたということです。以前はもっと軽薄で考えが浅い男でした。

 ここから本論なのですが、今の例を上げて、

 自信を付けてくれる女性をパートナーにすべき

ということを言いたいわけではありません。

 私があえて言いたいのは、

 根拠のない自信でも、持ち続ければやがて本物の自信になり、その自信がビジョンを実現するエネルギーになる

ということです。
 先ほどに例を挙げた男性は、たまたま幸運で、自信を暗示してくれるパートナーに出会った。しかし偉いのは、パートナーがいう根拠のない暗示に素直にしたがって頑張ったことだと思うのです。

 私は臍曲りで、ちょっと駄目出しするくらいの個性のある女性の方が好きになる方なので、こういう暗示には乗らないかもしれません。

 志=ビジョンの強化としての暗示は、

 自己暗示

が一番だと思います。
 根拠のない自信、自己暗示、壮大なビジョンなんて実現するはずはないと思う人は多いと思います。
 しかし多くの成功した経営者は、誰も見向きもしない創業当時から燃えるような、

 ビジョン=壮大な根拠のない自信

を持っていたはすです。ソフトバンクの孫社長、ビルゲイツやスティーブジョブスの評伝などを読んでも、彼らがどこの馬の骨時代から根拠のない自信を持っていたのがわかると思います。
 ですから、イノベーションを創造する、自社が世界一になりたい、と思う経営者は誰に笑われようと、

 根拠のない自信

を持ち続けるべきです。
 ただし、それを持っていても、酔っ払って夜の酒の肴で終わらせてはなりません。
 根拠のない自信、ビジョンを真のものにするためには、

 真剣に取り組む
 足りない点を補う努力をする

必要があります。
 富士山を登るにも、誰も最初はゼロメートルから始まり、長い道のりを経て頂上にたどることが出来ます。
 
 根拠ない自信は、努力で本物になることが出来るのです。

 人間というものは、<駄目>だと思うと出来ないものです。
 先日、日本のラジオを聞いていたら、こんな著者が出演していました。



 受験の勉強法や速読法についての本なのですが、一分間勉強法とは、

 一秒に一つの単語を覚える訓練を一分間続ける

というコンセプトのようです。
 実は私も大学時代、英語が全くダメだったのですが、「奇跡の英単語」というシリーズがありました。この方法もストップウォッチで単語を一語コンマ数秒で記憶するというものでした。


 たった数ヶ月で必須英単語は全部頭に入りました。
 
 人間の潜在能力というものは恐ろしいもので、出来ると思えば出来ちゃうのです。

 イノベーション(革新)や新規事業、海外進出、出来ると暗示すれば出来るのです。
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2011年08月01日

<ひっかかり>を大切にする

<志>=ビジョンを具体的、はっきり持て、といわれてても、『そんなに簡単に持てない』という人は多いと思います。

 事業を強力に駆動(ドライブ)する、ビジョンはそう簡単に着想出来るものではないと思います。

 ここでちょっとだけ、ヒントというか、方法論を書きます。

 作詞家の阿久悠氏といえば、80年代から90年代にかけて活躍された方です。
 沢田研二の「勝手にしやがれ」「憎みきれないろくでなし」「時の過ぎ行くままに」ピンクレディの「ウオンテッド」「渚のシンドバッド」石川さゆり「津軽海峡冬景色」八代亜紀「舟歌」「雨の慕情」など、歌謡曲から演歌まで幅広く活躍された方です。
 先ほど調べましたら、今日8月1日が命日だそうです。(2007年8月1日没)。
 
 阿久悠氏の創作手法を何かの雑誌で読んだことがあります。
 それは、雑誌、新聞、あるいは街を歩いたりしている日常生活の中で、心に「ひっかかる」言葉をメモしておく。
 作詞の時には、腹式呼吸法+瞑想した後に、依頼された歌手のイメージで、「引っかかった言葉」を使いながら作詞していく、というものだったと思います。

 作詞家というのは、とりわけ流行歌の場合は、聞き手から共感なり賛同してもらわないとならない。
 流れ変化していく社会の中で、みんなが共通に思っているが、気がつかないフレーズを盛り込む、というものだと思います。
 阿久悠氏は、日常生活の中で、敏感にその「ひっかかり」を大切にしていました。

 企業経営者(あるいはこれから創業しようとする人たち)は、何故、事業をするのでしょうか?
 中には金儲けのため、豊になるため、といって、お金さえ儲かるのならどんな仕事でもする人もいるでしょう。
 しかし大方の人は、ご自分のそれまでの人生経験(仕事や学校で学んだこと)から、何か思うところがあって創業したのだと思います。

 何か思うところ(引っかかり)

というは、その業界に属していて独立したとか、その仕事が好きだから、とか色々あると思いますが、心のどこかに、「これで生活していこう」という覚悟があるのだと思います。

 その何か思うところ

をさらに<深めて>考えていくと、

 問題意識(この業界、この会社はこういう問題がある、自分だったら、もっとよくできる、別の方法がある)

というものがうっすらとあるのではないでしょうか。
 
 その経営者の性格によりますが、こうした問題意識を解決して新しいビジネスを起こして、さらに拡大して壮大な事業計画を考える人もいますし、地道堅実に自分の出来ることから積み重ねようという方もいらっしゃいます。

 しかし、種(SEED)は同じじゃないかと思うのです。

 ベンチャーキャピタルに持ってくるビジネスプランには、どこにでもある言葉で埋めつくされ、飾られたビジョンを書いてくる人がいます。
 しかし、例えば、そういう人と仲良くなって、一緒に酒などを飲んでみると、実はその事業を初めた一番のきっかけは、幼少時の家庭体験であったり、アルバイト先での社会経験であったりします。
 そういう原体験(志の種)を発展して、飾ってプレゼンテーションをするのは一向に構わないと思います。
 しかし、一緒に成長していこう、という側の者にとっては、飾り立てられた背後にある、経営者の方の原体験=志の種の方が経営的に考えても重要です。

 どんな経営者の方にも、誰にも飾らないで、正直な裸の自分になればそういう、事業の志の種―純粋でまっすぐな想い、というのが必ずあるはずです。

 私たちはそれをまず見つけて、深く考える、純化して経営に活かすということを勧めています。

 ビジョンを考えるにあたって、稲盛和夫氏は、レンスが太陽の熱を集めて紙を燃やすように、想いを強く、焦点をあわせて考え行動しなさいといいます。

 そしてそのためには、集中力が必要なのですが、そのために中村天風氏が解説している<有意注意力>の重要性を提唱されています。
 私たちが日常生活で生きていく上で、無意識に階段を登ったり、信号を渡ったりする注意力は、自然に備わっているので、<無意注意力>といいます。
 これに対して<有意注意力>というのは、自分から意識して、その瞬間瞬間に全ての集中力を注ぐものです。
 別の表現で中村天風氏は「頭をはっきりさせなさい」といいます。

 人間は放っておくと、ぼーっとしてしまうもの。雑念や邪念、妄念で頭がいっぱいになる。
 だから意識して、雑念類を払いきり、純粋、無垢なにも雑念のない状態で物事を考えなさいという風に書いています。
 澄み切った心をもてば、あらゆる問題解決策やアイデアが自然に湧き上がってくる、といいます。

 ただ、こうした無私無欲の状態でいることはとても難しい問題です。
 街を歩いて、ミニスカートの女性を見れば、ついそちらに目が行ってしまうのが人間(男)というものです。

 中村氏はですから、こうも書いています。

 一日のうち、この時間からこの時間は頭をはっきりさせる時間と決めるだけでいい

 我々凡人は常に無私無欲でいることはとても難しい。

 ですから、例えば、午前9時から10時の一時間はその日の問題について、頭をはっきりさせて、澄み切った心で問題を考える時間。
 また、夜9時から10時は、自分のビジョンや使命について、頭をはっきりさせて考える時間。

 そんな習慣を持つのも、自分の志、ビジョンを深く考えて、磨くためにはいいと思います。
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2011年07月31日

経営者の<志>がイノベーションの原動力

経営者の<志>がイノベーションの原動力

  企業を成長発展させるための、経営者にとっての動機(モチベーション)はなんでしょうか?
 結論からずばり言いますが、本当に綺麗ごとみたいですが、それは

 <志=ビジョン>がいかに大きく、強く、純粋か

だと私は信じています。
 もちろん売上や利益は必要です。しかしドラッカーが一連の著作の中で何度も言及しているように、企業にとって<利益とは前提条件>として考えるべきものです。
 前提条件というのは、つまり、企業にとって利益は出て当然の如く経営しなければならない。ということです。利益こそが、社会へ還元(税金)し、将来へ備えるための確実な唯一の原資だからです。
 売上や利益、経費というものは一つの調和あるバランスの中において考えるべき問題です。
 企業が成長していく、ということは、換言していえば、顧客を創造し続ける、ということです。
 顧客を創造する方法論は二つあり、一つはマーケティング、そしてもう一つはイノベーションなのです。
 企業経営の根幹は顧客創造の試みにある訳なのですが、

 どんな商品、サービスを誰に売るか

このコンセプトの全ての根源、それが<ビジョン=志>です。
 私は多くの経営者の方にお会いしたり、また皆さんと同じように経済雑誌を通じて、経営者の方のインタビューなり評伝を読んだりしてきました。
 そうした中で、大きなイノベーションで市場、産業を作ったような大経営者の方というのは、
 
 心の底から、強烈で明白で純粋な志、ビジョンを持っている

のがわかります。そのビジョンは壮大でもあり、どんな細かい点を訊かれても詳細に答えられる。
 深く深く考えられ、短いスパン、長いスパンでも検討され尽くしていて、実現に対して計画であり、かつ変化に対して柔軟。
 目の前のことに全力を尽くしながら、段階段階での計画の微修正を常に行なっている。

 そういう優秀なビジョンをもった経営者、松下幸之助氏や井深大氏、本田宗一郎氏など数え切らない、志を持ったサムライが日本の戦後経済を担ったのです。

  そういうサムライの一人の京セラの稲盛和夫氏も、鮮明なビジョン・強烈なビジョンを色が付いて見えるまで描き続けよ、というアドバイスを経営者の方々に著作で書いています。

 経営者のこうした強いビジョンは突き当たる壁、障害が必ずあります。
 そういう壁を乗り越えるもの、それがイノベーション(革新)なのです。

 ですからイノベーションで新しい市場を創造する、顧客にとって新しい価値を創造する、ということのためには、経営者の強烈な<熱>にもにたエネルギーが必要なのです。

 一介の若者、一介の中小企業経営者にそんな壮大なことは出来ない、という人がいるかも知れません。
 しかし、戦後の経済を復興させた大立者のほとんどは、中小企業規模だったことを忘れてはなりません。
 本田にしてもソニーにしても、キャノンにしても戦後早々は町工場でした。
 それは戦後のどさくさだから、という人もいるかもしれません。
 ではユニクロはどうでしょうか?
 柳井正氏が父の経営する洋装店に入社した昭和47年はただの街の洋服屋にしか過ぎませんでした。
 昭和59年(1984年)になってようやくユニクロ1号店を下関に出店しています。
 直営が100店舗になるまでそれから12年かかっています。(平成6年ー1994年 )
 ユニクロといえばフリースの大ヒットが記憶されますが、これは1998年のことです。
 ファーストリテイリングが大成長したバックボーンには、長い長い基礎作り、基盤をしっかり固める時期があったのです。
 私はアパレルの業界に一時いたこともあり、その後コンサルティングも経験しましたが、ファッションアパレルとりわけ、若いファッションブランドというのは、企画デザインのみを行い、製造縫製は外部の下請けにつくらせるという形が多い。 
 ユニクロというのはSPA(製造直販)という方式です。
 外注方式だとシーズン事にデザイン、展示会、発注というサイクルになる。SPA方式は自社で製造部門があるから、売れ筋やトレンドの変化に柔軟に対応できる。
 どちらの業態にしてもリスクは在庫で、不良在庫を抱えると資金ショートで経営危機になるアパレル業は多い。
 ユニクロはPOS管理の徹底によって、売れ筋、在庫管理を徹底して、店舗の適正在庫保持と管理運営をしています。
 長年に渡って蓄積している海外生産のノウハウと、POSによる在庫、受発注管理がこの企業の革新でしょう。

 1990年代に、ユニクロブランドよりも、有名で規模が大きな若者向けファッションメーカーは沢山ありました。
 
 しかしその多くの老舗ブランドは低迷、もしくは消失しています。

 その違いは、単なる柳井社長の運ではないでしょう。

 それは毎日毎日、積み重ねられる日々の経営改革と経営者の<熱>にも似た志〜ビジョンが会社を突き動かしたのだと思います。
 ではその<志をどうもてばいいのでしょうか?> つづく
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2011年07月30日

イノベーションは生活習慣から生まれる

 ちょっと辛気臭い話を今日は書きます。
 「致知」という主に東洋哲学を主体にした雑誌があって、メールマガジンを出しています
 「失敗する経営者の条件」というテーマで先日配信がありました。

 http://archive.mag2.com/0000192277/20110729073000000.html
 
 経験豊富な経営者の方の眼力というのは間違いありません。経営者の方はご自身で自問自答してみることをおすすめします。

 企業経営において、イノベーションを生みだすためには、経営者自身が秀でたイノベーターでなければなりません。
 そのために第一に必要なことは、

 経営者自身の生活習慣がイノベーションを生みだすためのもの

であることが必要です。
 多くのイノベーターは、全身全霊、全てのエネルギー(体力、知力)を、新しい考え方の実現に注いでいるので、意識していないと思いますが、自らの想いを実現するために必然的な、自然な生活習慣をしているものです。
 私が知っている事例を上げますと。

 ○一日2つ以上アイディアをノルマとして、アイデア日記を付けている
 ○朝、1時間般若心経などのお経を唱えたあと、経営課題について真剣に考える
 ○週末は禅寺に座禅に行って、心をリフレッシュさせる
 ○誰よりも早く出勤して、自分の部屋とトイレ掃除を行う

などなど。
 経営者というのは、その活動のほとんどが、問題解決を考えること、意思決定、それからその決断やアイディアを部下ぬい伝えるコミュニケーションです。
 一つの判断が会社を傾かせるようなことになることもあります。
 また自分のイメージを十分に部下に伝えることができないと、会社全体が一丸となって目標追求していけない状態になります。
 思考とコミュニケーション、考え方と相手にどんな言葉表現で伝えるのか、その方法論は各経営者の個性やビジョンなどに寄りますが、基本的に根底に必要なのは<精神的な要素>です。
 精神的な要素とは、いかに物事を深く、強く考えているか。いかにエネルギッシュであるか。 
 人にものを伝えるのにも思ったことを言うだけでは足りません。<俺の言葉をよく考えろ>と伝える相手のことも考えず一方的に伝えるというやり方は、<連絡>であって、コミュニケーションではありません。
 ですから相手に何かを伝えるにしても、どうしたらよく理解してくれるか、伝える内容、受け手の立場や理解力を深く考えて、強い言葉で相手とコミュニケーションしないとならない。

 上に挙げた経営者の習慣の事例は、そのためにまず自分の心を振り返る、心を強く磨くための準備体操のようなものだと思います。

 それに引き換え、全くそうしたことを配慮せずに、多くの場合思い通りにならない経営者の方がいます。
 そういう方は、多くはご自身や誰もが認める<アイデアマン>で直感的、感覚的な人です。頭もいい、記憶力もいい、時流や世間の動向にも敏感で洞察力も優れている。
 弁舌も雄弁で相手が口を挟む余地がないくらい、話が上手、というより話好きの人も多い。
 しかしアイデアや事業プラン、経営計画が全く思い通りに進まない。
 イノベーティブなアイディアを常に考え、口にしていますが、会社はまるで発展しない。
 
 こういう人は、自分のことばっかりで周りへの配慮が全くない場合が多い。
 自分の直感力、アイディアは誰よりも優れていると思っているから、なんでも自分流、自由奔放で周りのことをあまり考えない。
 生活習慣も一定のこだわりがある場合がありますが、基本的に偏っている。こだわりがある場合は極端にそのこだわりに執着しすぎている。
 中庸という言葉がありますが、そうじゃないんですね。
 その時その時の反射神経、思いつきや直感で行動するから、周りが常に混乱する。
 自分を深く深く強く考えるような習慣はない。
 部下や周りの取引先からは、ビジネスとしての付き合いはあるが、みんな一歩引いている。
 社内が一致団結するということはない。
 ですからいくら素晴らしいアイデアが頭から湧き出ても、実現しないのです。

 最近のメディアに露出している話題の経営者の方を見ると、派手で話題は豊富、営業上手でアイデアマン。私生活の交友関係は派手、そんな人が多い。
 私の偏見かもしれませんが、六本木ヒルズなんかに住んでいる経営者の典型的なスタイルだと思います。

 イノベーションには明日書きますが、欲じゃなくて、<志>の方が大きく働く。
 だから、精神的に自分を深く掘り下げる、そんな生活習慣じゃないと、到底世の中を変えるようなことは実現できないのです。
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2011年07月29日

イノベーションは<類が友を呼ぶ>

 とりわけITや製造業など、技術的な進歩がものをいう業界においては、同業が集積している地域から画期的な商品、産業が生まれやすい。
 インターネットなどITにおけるサンフランシスコ郊外のシリコンバレーなどがそういうモデルの代表的なものです。他に有名なのはやはりサンフランシスコのサンディエゴがバイオベンチャーの集積地になっています。
 日本のインキュベーションをになっている経産省なども、こうした事例を勉強していて沢山報告書などが出ています。

 産業の集積地には、

 ○技術開発を担う優秀な学生を育成する大学が集まる
 ○見本市などが頻繁に行われる
 ○その産業に強いベンチャーキャピタルや高度な技術評価が出来るOBがエンジェルとして資金提供をしている
 ○同じ産業内で、分業の連鎖の経済生態が成り立っていて、様々な産業の支流が生まれている。

 つまり、人や技術やお金、アイデアがどんどん集まっては新しいことが創造される環境が成り立っているわけです。

 シリコンバレーなどでは、サラリーマンで一生を終わろうなどと考える人はいなく、誰もがアイディアを温めて独立の機会を狙っています。
 そういう人たちが集まっているのが、シリコンバレーなどの産業集積地です。
 つまり<類は類を呼ぶ>なのです。

 私の観察からいうと、こういう集積地は3つのIが起きて、革新的な技術やサービスが生まれ続けています。
 
 Imitation 模倣(創造的な模倣)
Improve  進歩や改良
Inspire  きっかけやヒントを鼓舞される

例えば新しいコンセプトのサービスが生まれて、反響を呼ぶようなことがあったら、すぐに、それを創造的に模倣したものが後追いする。
 同時に改良や進歩が行われる。
 時に創造的な技術者はそのコンセプトに鼓舞されて、さらに全く違った新規性のあるものを創造する。

そういう風に、産業集積地というのは進化しています。

 ですから、(出来ることならば)、ITの世界で天下を取りたいのならば、シリコンバレーに行って、コミュニティに入るべきなんです。

 <類は類を呼ぶ>という法則は世界中どこでも起こっていて、アメリカでは数十の特定産業集積地があるといわれていますし、ロシアやイスラエル、インドなどでも同様の現象が起きている。
 アジアにおいては中国では軽製造業においては広東省に何分野かの集積地があります。(中国は広大でいくつもの集積地現象がおきているので別の稿に改めます)
 シンガポールでは国策として石油化学、半導体産業などの企業を優遇して招致していて集積化を目指しています。

 日本も古き良き製造業の時代には、繊維業はどこ、陶器はどこ、という風に集積地があって、それは今は地場産業と言われている。
 しかし地場産業の問題点は、グローバル化に対応できなかった
 自動車および部品産業の集積が愛知近隣にまたがっているくらいでしょうか。

<類は友を呼ぶ>というのは、どういうわけか企業体質などにも現れることがあります。
 1900年代の中期コンピューター関連の新興成長企業の創業者のほとんどがNCR出身者でした。IBMのトーマスワトソンもNCR出身者です。
 日本では、ネット関連では日本IBM出身者が多い(かった)。
 私はリクルートについて取材して書籍を書いたことがありますが、リクルートからは非常に多くの上場企業創業者を輩出している。上場企業ばかりでなく、自営業であったり中小中堅企業の社長になっている人が多い。
 数十人のOBの方に取材をしましたが、一様に答えられたのは「リクルートには全員が自営業者であるという文化、DNAがあった」という言葉でした。

ですから、新しいことに挑戦したい方には、この

 類は友を呼ぶ

ということを心に深く刻む必要があると思います。

 海外進出したいのならば、海外に出かけていって、実際に企業している人と付き合ったりする。あるいは同じ志を持つ人と交流する。
 否定的な情報は、それがどんな種類であれ、否定的な影響しか与えません。
 物事を批判したり、否定したりする人は<問題を機会とする>発想は生み出せません。
 そういう人たちと交流すると、同じことを考えるようになります。
 だから<類は友を呼ぶ>というのは大切な考え方なんです。
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2011年07月28日

ベンチャー投資のアジアシフト化

三菱商事 
日本企業の中国展開を支援する日中合弁ファンドを組成
同社プレスリリースより。
【本ファンドの狙い】
本ファンドは、こうした優れた技術、ブランド、サービス、経営ノウハウを持つ日本企業の中国展開支援を目的として、
  @ 中国展開により成長が期待できる日本企業、
  A 日本企業が中国で設立する合弁企業、
  B 日本企業と戦略パートナーとなりうる中国企業
を対象に資金を提供し、総合商社としてあらゆる産業に対する知見を持つ当社と、中国における優れた投資実績及び優良中国企業と幅広いつながりを持つ科瑞集団が、投資先企業の経営支援や事業開発支援を行うことで、投資先企業の企業価値向上を図ります。さらに資金調達が活発な香港等、海外の株式市場で投資先企業が上場することで、中国展開における資金調達を後押しすることも視野に入れています。

 今後、こうしたファンドは商社系ばかりでなく、証券・金融系のベンチャーキャピタルや投資会社も追随していくことでしょう。

 なぜなら、日本の国内経済は成長性が頭打ちで、新しい市場が生まれることは非常に難しい。つまり急成長ベンチャーが育つ環境が極めて厳しい。
 つまり投資会社としては、投資対象の<玉>がない状態なんです。
 日本のベンチャーキャピタルの経営状況は散々たるものです。
 そして、国内投資から中国、韓国、インドなど海外へシフトしています。
 国内大手のジャフコ、アジア投資も、SBIインベストメントなどの大手も中国へ軸足を移しています。
 
 起業の志を持っている方、あるいは中堅中小企業で飛躍の志を持っている方にとっては、アジア市場を念頭にいれなければ到底、夢は実現できない環境です。

 中国に関していえば、日本の企業が進出して飛躍できるチャンスはいくらでもあると思います。
 今まで、中国進出といえば、大手企業の進出、ならびにその下請け、関連企業が進出というのが多かった。
 製造業関連が圧倒的に多い。
 もともとは中国進出というと、コストセンターとしての進出、つまり安い労働者のコストで製品の価格競争力を付けるということが第一の目的でした。
 もちろん今でもそういう面は多分にあります。
 しかしこと単純労働ということになると、上海など沿岸部、華南地方(広東省)近隣の単純労働者の賃金は数年前から倍増していて、価格競争力が劣ってきています。
 そこで単純労働に関してはベトナムなどのさらに安い賃金の国へ移転するという動きがあります。
 また同時に中国の国内企業もより高い付加価値事業へ傾斜していく傾向があり、高度技術によって海外と競争していく企業も現れています。
 日本企業もただコストダウンのためのみならず、現地で高度な技術対応していくことが求められている、つまり、単純労働の管理とういマネージメントから、よりレベルの高いヒューマンマネジメントが要求されています。

 一方で中国の成長が安定軌道にのり、『貧しい労働力供給市場から中間所得者層の増える国』になりつつある現在は、中国の消費者を対象にしたビジネスも増えつつあります。
 そういう意味で飲食、小売、サービスで日本独自の色やブランドを打ち出すことに成功すれば日本の中小企業にも多いに機会はあると思います。

 どんなものがいいのか。既に多くの進出の事例があるのもありますが。。

飲食  居酒屋 ラーメン店、そばうどん店
     パンケーキ店
     ファミリーレストラン
サービス 理美容店
     インテリア 家具店 雑貨店
教育  塾 
娯楽 スポーツクラブ ホテル
美  アンチエイジング関連
   メイクアップ
   健康食品

まだまだいっぱいありますが、要はそこに<日本の香り>がすることが肝心なんじゃないかなと思います。
例えば今アジア中でホテル新設ラッシュで、大手のホテルがアジア主要都市で新規ホテルを開設しています。
どれも5星の高級ホテルです。
洋式のホテルもいいですが、日本式の高級旅館タイプがあってもサービスが行き届いていて食事が美味しければ絶対成功すると思うんですが。
  
  
 
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イノベーション 再度解説

再度 イノベーションとは

 この一連の<イノベーション講座>は30くらい章立てしていて、冊子にするつもりの連載ものです。

 <イノベーション>というと『なんだそりゃ?』という風に考える人がいると思うので、改めて説明します。
 従来色々な本屋にある書籍や経営学者がいう<イノベーション>というのは、画期的な発明であったり、新技術に基づく製品、斬新なアイディアに基づく新商売、新しいビジネスのことをいいます。
 私はここでは、もっと広い意味で<イノベーション>を捉えています。
 それは、企業活動において、

 変化に対応して、変化を巻き起こすこと。その取り組みや活動

をイノベーションと捉えています。
 そしてイノベーションは、外に向かって行うもの=対顧客、新商品の開発や新しい商売の展開、サービス内容の変更もあります。
 同時に内側に向かって行うもの=斬新な人事制度、給与制度、コミュニケーションや会議の方法などもあります。
 今までの自己を否定して、新しい姿に生まれ変わる試み、これをすべてイノベーションとして捉えています。

 閉塞的で先が見えない日本と言われていますが、これを打開するためには、政府や政治家、役所にたよっていても何も前には進まない。
 民間の企業が新しい挑戦をしないと駄目だと思うのです。
 それとグローバル化、世界中の経済がどんどん一体化、つながってきているのが現代社会です。
 中国やアジアの成長著しい経済とは中小企業もなんとか付き合っていかなければならない。むしろ、機会(チャンス)と捉えるべき。
 そのためにも、小さな小さな社内でのイノベーション(変化)の取り組みが必要だと思うのです。
 本連載の全体像を通して読んでいただければ、経営者の方、起業希望の方はもとより、『なんかどん詰り感があって、進展変化がない昨今に欲求不満のある』方には、理解してもらえると思います。

  広義のイノベーションへの取り組み、チャレンジは企業の競争力を高め、社員の質を向上させます。
 小さな取り組みが企業を変え、その変革の波は社会をも変えることすらあります。
 
 アジアの時代と言われて久しい。
 実際、中国へ進出している日本企業は驚くほど増えています。それは日本の経済をになってきた大手製造業の移転にともない、工場移転してきた企業もありますし、独自で新天地としてアジア各国へ転出している企業もあります。
 また、飲食やサービス業などを中心に<日本の文化>をアジアで展開している企業、しようとしている企業も本当に増えた。
 成功している企業もいれば、苦戦している企業もありますし、一時的に撤退している企業さえあります。
 その分水嶺(分かれ目)は、企業経営者や海外事業担当者が、

 その国を理解し、違いを認識し、自分が変わるべき点は変える

か否かだと思います。
 過去の成功や経験、それまで身に付けてきた常識、固定概念は一度、引き出しの中にしまって新しい皿に新しい料理を盛る、という気持ちがないと決して海外での事業はうまくいきません。
 イノベーションへの取り組みというのは、そういう面でも重要なのです。

 私はこれまでずっと投資関連の仕事をしていました。
 その中心はベンチャー投資関連でした。
 ベンチャーが成長するか否かはその企業が経営資源としていかに<イノベーティブ>であるか?、という点を見極めることです。
 イノベーティブ、つまり一発のイノベーション(革新)でなくて、次々とその革新を進化させる企業であるかどうかです。
 その目利きを15年してきました。
 アジアの企業への投資も、中小企業の成長支援も、私にとってはイノベーションを見分けるという点では違いはありません。
 
 香港やシンガポールなど海外で上場を目指す企業が増えている、と雑誌で読みました。

 しかし、現時点で実質日本人が海外で起業して海外上場している例はシンガポールに2,3社あるのみです。
 潜在的には莫大なアジア市場ですが、私の眼には、グローバル化とイノベーティブの両面で秀でている日本企業はとても少ない。
 しかし、もう時代はグローバル化の波の真っただ中なんです。
 頭で考えるより実践するしかないというのがイノベーションの特質でもあります。
 日々の経営活動の中のヒントとしてこの連載ブログを読んでいただければと思っています。
posted by WOODY at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | イノベーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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