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2011年07月24日

〜イノベーション〜アイデアの発想法

 【イノベーション講座6】

 顧客を観察し、仮説を打ち立ててもなかなかいいアイデアが出てこない。
我々凡人にとって、目の覚めるアイデアが泉の如く湧き出るなど夢のようなことでしょう。
 しかし、アイデア発送法の大家の本などを読むと、<質より量>という風にいう人が多い。 
 アイデアというのは出せば出すほど、連想的に新しい発想が出る。
 ソフトバンクの孫社長は、学生時代に自動翻訳機の特許をシャープに売却して、その資金で現在の会社を創業しました。 
 米国での学生時代の孫氏は、毎日毎日、発明のアイデアを考え続けた。
 ノルマは一日一つ。
 アイデア発想を続ける過程で、カード式発想という方法を考えついて実行した。
 これは、思いつくあらゆる単語をカードに書いて、ランダムに2枚抜き出しては、その二つの単語(及びコンセプト)の組み合わせから出てくるアイデア発想を行なった。



 日本に帰国して事業を始める時も、この方式で何十個もあった事業アイデアから、当時のソフトバンク創業のアイデアを選択したそうです。

 アイデアというのは、考えれば考えるほど、新しい発想が出るので毎日日課としてアイデアを出すというのはいい習慣です。

 孫氏ほど、厳格に毎日一つとノルマを課している人はあまりいないかもしれませんが、創業社長というのは概ねアイデアマンで、<メモ魔>という人は多い。

 新規事業のアイデア、新商品のアイデア、現在突き当たっている問題の解決策、こうしたアイデアを常に考えて、手帳やポストイットに書き込む。

 そうした経営者は何人も見てきました。

 アイデア・発想法については沢山の本が出版されています。
 
 その中で私自身、何度も読んで、実践しているのが、ダイヤモンド社から出ている『アイデアのおもちゃ箱』です。
 本の企画やアイデア、コンサルティング先の問題解決の時の虎の巻でした。

 アイデアのおもちゃ箱
マイケル・マハルこ著



 すばらしい思考法 誰も思いつかないアイデアを生む
マイケル・マハルこ著


 
 この本の中には、アイデア発想のための習慣やイメージトレーニング方法から具体的な発想転換の方法などが満載です。
 
 既存のものに手を加えてアイデア発想する<SCAMPER>発想法

 S SUBSTITUDE 代用品はないか
C COMBINE   結びつけることはできないか
A ADAPT   応用することはできないか
M MODIFY    修正することはできないか
P PUT IT OTHER USE  ほかの使い道はないか
E ELLIMINATE OR MINIFY 削除か削減できないか
R REVERS OR REARRANGE  逆にするか再編成できないか

 この本にあることを本気で毎日実行すれば、必ず、素晴らしいアイデアが出ると思います。
 問題は実行なんですが。
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2011年07月23日

すべてのイノベーションは顧客から生まれる

 【イノベーション講座5】
 
 香港・中国に移り住んでから、もう6年近くなります。
 日本にいたときは投資会社在籍を含めてほとんどがベンチャーといわれる中小企業の成長支援をしていました。
 最初は面談から始まるのですが、先方の目的は<資金調達>です。
 自社の製造業や法人向け企業ならば、自社の製品やサービス、消費者向けの小売・飲食ならば展開している新しい業態の新規性や将来性、将来有りうる収益性などをプレゼンしてきます。
 
 どこの国でも同じだと思いますが、発明オタクみたいな社長というのがいて、新商品というよりも<珍商品>ともいうべき商品を開発して、真剣に世に出そうとしている。
 どう考えてもそういう商品が世間一般に受け入れられるとは思えないのですが、当の社長はすごく真剣だから始末が悪い。

 そういう経験をしているベンチャーキャピタルの人は多いと思います。

 確かに、競争の激しい資本主義社会においては、目立たないといけないし、顧客の目に止まり印象を与えるものは必要です。
 しかし新規性や奇抜さは新鮮ではありますが、同時に市場に受け入れられるまでには時間がかかる。

 ですから、イノベーション(革新)的な商品やサービスを考える前に、抑えなければならない基本は、

 顧客は何を求めているのか?

ということです。
 経営的にいうと、画期的な商品やサービス、既存の商品のバージョンアップにせよ、マーケティング戦略の構築にせよ、アフターサービスの充実にせよ、企業の存続・成長のためにある。
 だから、企業は常に、

 顧客にとっての価値向上

を目指さないといけない。
 その業態のどんな部分を顧客は一番の価値として<購入>しているのかを決めるのは、企業ではなく、顧客なのです。

 だから商品開発にせよ、新サービスの創造にせよ、すべての考察・企画は

 顧客からスタート

しないとならないのです。
 経営者の<こんなものがあったらいい>という発想や社員の<これまでのこの部分が不便>という意見からの発想で、成功する例は、

 発想者が誰よりも顧客を知っている

ことが前提になります。
 顧客にとっての価値、というのは、時間の流れの中で変化をしますし、企業の提供するサービスが変わるこちによって価値観が変わる。
 企業にとってやっかいなのは、顧客自身が知らない、まだ分析されていない<見えざる価値観>というのも存在する。
 だから、いくら顧客アンケートや数字統計を分析しても見えないものもある。
 見えるものはむしろどこでも分かっているから、競争にならない。

 真のイノベーションのビジネス機会(チャンス)というのは、実は、

 見えざる潜在的な顧客価値、顧客ニーズ

をどうやって見つけるのか、にあるのです。

 昨今はデータベースマーケティングというのが進んで、コンピューターによる数値的分析はかなり明白な結果や仮説が出せるようになってきています。
 コンビニエンスストアであるとかスーパーなどの小売業ではこのデータベースマーケティングで激しい競争をしている。
 インターネットビジネスにしてもしかりで、ネット通販やネット経由でのビジネスにおいては、検索エンジンでいかに引っかかるかとか、どんなキーワードがいいかとかあらゆるデータベースマーケティングが駆使されています。

 しかしそれだけでは、潜在的に眠っている顧客ニーズは完全に掘り起こされていないのです。

 中小企業が何か新しいことを考えて、世に出すということは大変なことです。
 大手は情報統計分析からネットマーケティング、リアルなマーケティングに至るまで完全武装しているのですから。
 それに打ち勝つには、まず自社の属する業界あるいは自社の顧客層の<本当の価値感>をしっかりつかむ努力が必要です。
 顧客価値というのは常に変化しているわけですから、その変化も観察する必要でしょう。
 そして、目指すべきは<潜在的に隠れてる顧客価値>を掘り起こすこと。
 これが見つかれば、金の鉱脈を見つけたと同じです。


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2011年07月22日

閃きは努力から生まれる

【イノベーション講座4】
 多くの方は<画期的な発明発見・商品開発=イノベーションとは天才が<ぱっと閃く(ひらめく)>ようなもの、という印象があるのではないでしょうか?
 確かに、あらゆる発想・着想には<ひらめき>という要素があります。
 しかしエジソンが自身の発明は「99%の努力(perspiration=汗)と1%のひらめき(inspiration)だ」と表現したように、飛躍的な発想を得るためには、それなりの努力が必要です。
 多くのヒット商品などの商品の開発ストーリーなどを読み聞きしても、何度も何度も失敗や困難を乗り越えた後に、偶然であった出来事などから<閃いて>、商品開発を成し遂げた例は多い。

 かなり昔の話ですが、とある空調メーカーの社長の話です。
 その社長は当時社会全体が禁煙ブームになるのを見越して、分煙に関する装置を開発していた。
 ところがどうしても開発がうまくいかない。
 悩みながらも、営業もしないといけないので、街中を歩いていた。
 ある地下鉄の駅の階段を上って地上に出たときに、秋の落ち葉が竜巻のように舞っていた。<これだ!>と思って、竜巻の仕組みを分煙装置に応用した。
 だからその会社の名前も竜巻=トルネードにあやかって、トルネックスという風に命名しました。

 何かの商品開発や取り組んでいる課題への答えは、論理的に出るものではありません。
 立ちはだかる壁、困難がかならず立ちはだかります。
 コスト面での問題、普及に関しての見えない壁、法的な壁、巨大なマーケットリーダーのブランドの壁などなど。。。

 しかし、<頭や理屈>であきらめていては、決して解決策は出てきません。

 昔、投資会社に勤めていたときに、長年大手セラミックメーカーの開発部長をしていた方を技術評価担当の顧問として迎えていました。K顧問としましょう。
 K顧問によると、新しいセラミックヒーターの開発などの際には合宿で、部員に一日100個のアイディアを義務付けて、それを整理して開発を進めたということです。
 部下も自分もへとへとになってしますが、アイディアを出し尽くして、議論をし尽くした後で、画期的な解決策・妙案というものが出てくるそうです。
 K部長の開発したセラミックヒーターは、自動車の製造工程における塗装後の乾燥システムとして採用されたそうです。

 新商品を立て続けに開発・ヒットさせているといえば、アップルのスティーブ・ジョブスがあげられます。
 彼は自分のイメージした商品が完璧に頭の中にあり、仕様からデザインまで一切の妥協をしないので有名です。
 曲線が少しでもイメージと違うと何度も作り直しをさせる。
 あまりにも細かいところまで介入するので、<マイクロマネジメント>と揶揄されているほどです。

 イノベーションを創造するということは、一つには完璧なまでのイメージを持つこと。
 同時に、徹底的に考え、試行錯誤し、何度も何度も繰り返す労力、努力が必要です。
 
 <閃き>は簡単に天から舞い降りてくるものではありません。
 熟慮に熟慮を重ね、追求に追求を重ね、頭脳と体力のあらゆるエネルギーを注ぎ込んだ末に天が与えてくれるご褒美なのです。
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2011年07月21日

見えざるイノベーションの重要性

 【イノベーション講座3

 画期的な商品開発や業態開発よりも、企業経営自体にもっとも効果的なイノベーションがあります。
 それは、<内なるイノベーション>。社内の体制やシステムを変えることによって、顧客サービスやプロセスを改善させることです。
 画期的な製品やサービス、業態は外部から見ても明らかなのに比べて、内なるイノベーションは外部からは見えにくいので、<見えざるイノベーション=invisible innovation>ともいわれています。
 私はキャノンについての書籍「キャノンの高収益システム」を書きました。
 キャノンは前社長の急逝によって、現御手洗富士夫会長が社長に就任します。その時の肩書きは常務取締役総務担当でした。
 当時のキャノンは3千億近くの有利子負債を抱え、パソコン、液晶テレビなどの不採算部門を抱えて業績低迷にあえいでいました。
 キャノンは事業部制をとっていました。
 事業部内で売上目標を立て、人員計画などの予算を事業部長が決めていた。
 そのため事業部同士は意思の疎通がなく、縄張り意識などが全社的な意識を阻害していた。
 そこで新任の御手洗社長(当時)は、改革委員会を全社的に設置した。
 これはA事業部の部長が、B事業部の改革委員会の委員長になるという、部門間をたすきがけのように組み合わせたものでした。
 B事業部の問題点の改善計画の実施と進捗管理をA事業部の部長が行う。
 これによって各事業部のトップの間で他事業部の問題点がより身近に感じられ、当事者意識を持つようになった。
 キャノンの御手洗氏が実施したイノベーションといえば、連結月次決算の実施、キャッシュフロー経営の徹底、それに製造部門におけるセル生産方式の導入などがあります。
 しかし組織の根本的な問題解決に直結し、企業の生産性を高めたのは、改革委員会だといわれています。
 巨大組織だからゆえの問題を一気に解決した、<内なるイノベーション>といえます。
 
 こうした<見えざる、内なるイノベーション>は特許もなければ、外に向けてアピールするものでもない。
 しかし、大きな企業の見えない経営資源、といえます。

 利益率が高く、成長している企業は、実は新規商品開発や画期的な業態開発などよりも、こうした見えないノウハウの開発があります。
 そしてそれは、見えない競争力の源泉となっているのです。
 例えば、店舗型の小売業、飲食業などの場合に、

 ○好立地を見つけるノウハウ
 ○不動産賃貸契約から開店までのスピード
 ○オープンまでの社員研修のスピード

など独自の社内に蓄積したノウハウで成長のスピードを速めたりしている例は多い。

 画期的な技術革新・商品開発というものは一見派手で、マスコミ受けもいい。
 しかし、そういった商品が成功するためには、販売やマーケティングが優れている必要があります。
 こうした組織力、社内でのスピードという点で内なるイノベーションというのは実は経営上もっとも重要です。

 

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2011年07月20日

変化に敏感であり、かつ変化を肯定することがイノベーションを生み出す

【イノベーション講座3】

変化に敏感であり、かつ変化を肯定することがイノベーションを生み出す

 どんな業種・業態でもそれまで好調だったのが突然苦境に陥ることがあります。
 個別の企業でも昨年まで絶好調だったのに、今期は大赤字という事態に陥る場合もあります。
 こうした事情の背景には、

 ○顧客の価値観の変化
 ○顧客側の優先順位の変化
 ○思わぬライバルの出現による代替企業の出現
 ○法規制などの変化

などがあげられましょう。
 <思わぬ事態の変化>に遭遇して、ピンチに陥ってしまう場合が多い。
 しかしよくよくその企業を取り巻く環境をじっくり観察すると。変化の<兆し>というのはあるものです。
 また、内部に入ってコンサルティングなどをしていると、営業報告の顧客の声や、数字の中に、<変化の兆候>に気づくこともあります。
 ピンチに陥る企業の多くは、長い間の業界秩序に守られて<安定に安住>している場合が多い。
 例えば、コンビニエンスストアが世に出たときに、これほど世間に普及する業態だとは誰も思わなかった。
 危機感のある経営者は業態転換をしたり、自らコンビニエンスストアのフランチャイズに加盟しました。
 コンビニエンスストアの登場によって、街中の雑貨屋や金物屋などの多くの業種が代替された、つまり淘汰されてしまいました。
 生き残れたのは、コンビニの業態の出現によって激しい<危機感>を感じた経営者たちです。
 また十年ほど前にガソリンの小売が自由化された。それまでガソリンスタンドというのは大手石油会社のブランドの系列傘下にあり、石油会社の支援を受けていました。
 ガソリンスタンドというのは一般に生活路線といって、車の流通量が多い道路沿いにあって、立地はいい。
 何か別の業態をと考える経営者もいれば、<なんとかなるさ>と考える経営者もいました。
 結局セルフスタンドの登場や石油価格高騰など環境が激変して、ガソリンスタンドの多くはなくなり、コンビニエンスストアや郊外型ビジネスが取って代わった。
 ガソリンスタンド経営の企業が転業する場合もありましたが、廃業を余儀なくされた企業も多かった。
 優秀な企業経営者というのは、常に未来の変化をみようと自分の眼鏡を磨いているものです。
 そして変化の境目に必ずイノベーションが現れる。既存の経済生態(経済秩序)を変えるような代替ビジネスが現れる。

 凡庸な経営者はその変化を見逃します。
 勉強熱心で賢い経営者はイノベーションの波をつかもうとする。
 そして最高に優秀な経営者は変化を見て自らイノベーションを創造する

 ですから経営者というのは常に変化にアンテナを張り巡らさなくてはならない。
 
 <変化>というのは受け入れるのに時に苦痛を伴うものです。
 
 これまでの慣習を変えなければならない
 これまでの自分を否定しなければならない
 今までの常識をすてて新しい常識を受け入れなければならない

といった事情があるからです。
 例えばそれまでガソリンスタンドの社員が、コンビニエンスストア、あるいはファミリーレストランやラーメン店などの業務を行うというのは資質などもありましょうが、セロからはじめるという意味で心理的に抵抗があるでしょう。
 経営者としても、それまでの経営資源をなんとか活かしながら事業を継続すべきというのは経営の常識ですから、新しいことを始めるには躊躇するでしょう。
 もし仮に人、設備、ノウハウなどでこれまで築いた資源を利用しながら、変化に対応できるならばそれに越したことはない。
 しかし、そういう道がない場合はどうするか、変化にどう対応するのかの意思決定をするのも経営者の仕事でしょう。

 変化に対応するのに一番の方法は、実は、
 
 変化を観察して、自ら変化を巻き起こすこと

です。この変化を自ら起こすこと、がイノベーションなのです。
 しかし環境の変化すら正面から受け止めるのには、社員などの抵抗があるのが現実です。
 自ら変化を起こすというのは、それだけ難しい。 
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2011年07月19日

イノベーションは変化を巻き起こし、顧客価値を変える

  【イノベーション講座2】
 
 <イノベーション>というと、一般には<技術革新>という風に捉える人が多いと思います。多くの方は<画期的なイノベーション>というと、発明や新商品開発という風に考える人は多い。
 たしかに画期的な技術による商品開発、これまで無理だと思われたことを技術開発によって可能にすることなどもイノベーションでしょう。
 ドラッカーは著書の中で、<イノベーションとは価値である>という風に解説しています。
 簡単に説明すると、<これまでの社会になかった、新しく生み出された価値>ということです。
 私たちの社会は日々変化しています。それは主に企業間の競争があるからです。
 顧客の奪い合いですから、顧客にとってより高い価値のあるものを企業は提供しないといけない。だから日々、新しい技術が開発され商品化されています。また新しいサービスも次々考え出されてます。
 
 価格
 使い勝手やデザイン 
 利便性
 アフターサービス

など様々な要素を向上・進化させる努力が行われています。
 そんな中にあって、優れた企業は、

 イノベーションの創造によって市場に変化を巻き起こす
 顧客の価値観を変えてしまう

ということを実現します。
そしてそれまでの競争原理、言い換えれば企業の秩序を変えてしまうのです。
 例えば古い話ですが、ソニーがウォークマンを開発、発売しました。 
 たしか、経営者の大賀さんか井深さんかどちらかが、移動中でもカセットで聞けるコンパクトな商品が欲しい、という動機で開発されたということだったと思います。
 この商品は皆さんがご存知のように大ヒットしました。
 製品化にあたって部品のコンパクト化などの技術的な課題はあったかもしれませんが、それほどの技術革新があったとは思えません。
 しかしウォークマンの大ヒットによって、若者が電車の中や移動中に音楽を聞く、という習慣が生まれた。同時に類似品も沢山出回るようになった。
 つまり顧客の生活様式を変え、コンパクトプレーヤーという市場を生み出した。新しい市場が創造されたのです。
 同様のことは昨今流行のIPODやIPADなどでも言えるでしょうう。
 先ほど私はイノベーションとは変化の中から生まれる、と書きました。
 優れたたイノベーションというものは、変化を巻き起こし市場を生み出し、競争原理まで変えてしまうのです。
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2011年07月18日

イノベーションこそ企業成長の源泉

 私は日本では十数年近くベンチャー投資に携わってきました。
 現在の仕事である企業投資(株式投資)の基本となる<成長企業を見分ける知識や眼力>もこうした経験が基礎となっています。
 日本でベンチャー投資に関わっている期間に、全国各地で様々な企業を訪問して企業を見て回りました。銀行や信用金庫や地域の商工会での経営相談会の場合もありましたし、当時在籍していた企業の営業マンやコンサルタントからの紹介で会社を訪問したこともありました。
 ベンチャー企業といっても実態は中小企業(SME)と変わりありません。ほとんどの企業は財務諸表だけでは判断がつかない。成長企業の<卵>なわけで、驚くほどの利益を出す企業なんてほどんどありません。
 あるのは<可能性>だけです。
 投資した企業の中には、上場した企業もあります。上場した企業の中には一部上場となった企業もありますし、上場後様々な事情から上場廃止や倒産してしまった企業もあります。もちろん投資した企業で上場する企業はまれで、ほとんどが当初の思惑通りにいかない企業も多い。

 こうした経験からまず第一にいえることは、

 成長する企業はイノベーションを生み出し、そのイノベーションを進化させる努力を続けている

ということです。
 イノベーションとは何かという点については、これから稿を改めて様々な角度から説明していきたいと思います。
 重要な点は<イノベーションを生み出し、そのイノベーションを進化させる努力を続けている>という点です。
 経済生態という観点見ると、資本主義社会というのは競争社会です。
 商品開発、販売営業、マーケティング、顧客開発などあらゆる面でしのぎを削っています。
 だから一発のイノベーション(革新)だけで市場構造をひっくり返すことはできない。
 イノベーションも開発された時点から陳腐化が始まるのです。
 だから企業経営者は常にイノベーションを進化させ続けなければならない。
 一時の勝利に安住する企業はすぐに追い越される。 
 それは技術開発型の製造業であれ、小売業であれ、サービス業であれ同じことが当てはまります。

 かつて経済成長の時代の日本では、欧米を追随し、追い越すためのイノベーションが数多く生み出されました。
 技術的なイノベーションは主に電器や自動車、精密機械などの製造業を中心に生み出され、それが新しい市場を創造しました。
 そればかりでなく、サービスや飲食業の分野でも数多くの新しい業態が開発された。これもまたイノベーションです。
 経済成長は企業がイノベーションを創造することによって成し遂げられたのです。
 
 さて成熟社会といわれている現代日本社会。
 少子高齢化・人口減の社会で、あらゆる市場が飽和状態だといわれています。
 小売店にしても飲食店にしてもオーバーストア状態だという指摘もあります。
 こんな中でイノベーションは生まれうるのでしょうか?
 
 イノベーションは<問題を機会とする>ことで生まれます。
 だから、現在の日本が抱えている問題も企業がイノベーションを生みだす努力をすることによって必ず解決していく、と思っています。

 また、<アジアの時代>といわれ中小企業ですら<グローバル化>の必要が叫ばれています。
 <イノベーションとは変化を受け入れ、変化を巻き起こすこと>です。
 仮に中小企業が海外に出ていくにしても、進出先で<自らを変える>必要がある。なおかつよりイノベーティブでなければならない。
 グローバル化をしかたのないこと、として捉えるよりも、イノベーションによって新しい企業に生まれ変わるきっかけになると思うのです。
 イノベーションを見極めることによって、成長企業を見てきた私にとって書きたいことは沢山あります。
 このブログでは、随時<イノベーション講座>と称して連載形式でエッセイを掲載していきたいと思います。

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産業空洞化

日本の中小企業、中国内陸部への進出を加速
日本貿易振興機構(ジェトロ)は17日、内陸部の中心都市の一つである武漢で事務所の開所式を開き、日本企業への支援体制を広げた。日本企業の取り組みの背景には、中国国内の市場の成長に加え、東日本大震災で部品の供給網が寸断された経験から多極的な産業集積を目指す狙いもある。
(読売新聞 つづき

  みずほ総研のレポートによると、北京・シンセン・上海などの法定最低賃金は2004年の約600元から2011年約1200元と大幅に上昇していて、単純労働ではもはやっていけない、といわれています。
 多くの日本企業は賃金や物価が安い内陸部か東南アジアへの移転が始まっています。

  でアジア諸国ならどこを検討しているか?というと、

  ベトナム
  タイ
  インドネシア

ということです。
 ベトナム、タイ、インドネシアともに人件費が安い、国民性として素直で真面が共通点として挙げられます。
 しかし一方で、

  言葉の壁によるコミュニケーション=意思疎通の問題
  運輸などの物流インフラ、電力などの産業インフラの整備不足

などが問題となるでしょう。
 ベトナムにしてもインドネシアにしても私は何回も行っています。いい国なのですが、ベトナムでは高速道路がない、鉄道も単線だけ。という点でなんらかの策を考えなければなりません。
 インドネシアもかつての政策のために英語がほとんど通じない、ベトナム同様物流網が貧弱という点があります。
 労働費用だけを考えるのなら、東南アジア諸国は魅力的でしょう。

 一方で中国内陸部について考えると、

 鉄道や高速道路網が整備されている
 言葉が中国語(普通語)だけでコミュニケーションが可能

ということで、仮に中国沿岸部に既に進出している会社ならば、コスト低減のひとつとして内陸部へ工場設置はメリットがあると思います。
 とはいえ、心配になるのは日本の空洞化です。
 一方的なペースで日本の製造業が海外に転出する、ということはないとは思います。
 日本の政策次第でしょう。
 
 世界の経済構造は日々新しいものに変わっています。
 それにキャッチアップしていくためには、陳腐化してしまった産業にとって変わる、代替産業を育てないといけない。
 産業構造の新陳代謝が必要なのです。
 電力産業やメディア産業など規制ががっちに既存企業が守られている産業からは新しい発想の企業は生まれません。
 陳腐化してしまって世界に通用しない産業をお金をばらまいて守っても、砂漠に水をまくようなもので何も育ちません。
 財界の人たちは、一部のグローバル企業以外は、陳腐化している自分に気がついていませんので、政治家やお役人が先頭切らないといけないのですがね。
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2011年07月17日

日本が溶けてゆく

 日本が溶けてゆく

日本が溶けてゆく


アマゾンより
+++++++++++++++++++++++++
内容紹介
16万部のベストセラー『日本の中枢の崩壊』の古賀茂明の対談本!!
対談だからこそ、ここまで喋れた!
官僚主義の実態を実名で、徹底的に情報公開!
このままでは日本は官僚に喰いつぶされてしまう!!
日本の再生は、この真実を知ることから始まる!
霞が関の良心が語る官僚村の隠された真実

内容(「BOOK」データベースより)
政策策定の裏で、どんな利権が拡大したのか?地位保全、責任転嫁、官僚の行動原理を内部から徹底解明!「霞が関改革なくして日本の再建なし」霞が関の良心が語る官僚村の隠された真実。「東電処理案最新版(古賀ペーパー)」完全収録。
商品の説明をすべて表示する
+++++++++++++++++++++++++++++++

 ほとんど、全ての人が諦めていると思いますが、日本の官僚、ないしは官僚と政治家が一体となった<日本政府>というのはひどいものです。

 ただ、これまで日本は<何となく平和で豊か>でした。
 治安は安定して犯罪もなく、戦争紛争もなく、経済的に豊で便利。
 そういう風に思っていました。
 しかし、よくよく事実を検証してみると、長期にわたる不景気の間に、事情がずいぶん変わってきた。
 強盗殺人などの犯罪は数字的にはそれほど増えていない。しかしオレオレ詐欺や架空請求などの経済犯罪が目立ってきた。
 豊かだといわれているが、一人当たりGDPではシンガポールや香港に抜かれている。
 それに自殺が増加している。交通事故の3倍も自殺者が増えている。

 長年のばらまき予算の煽りで、財政赤字が膨大に膨れ上がった上に、今回の震災復興、破綻寸前の電力会社救済のために増税が待っている。

 財政がこれほど悪化しているのに、省庁の予算がなかなか削れない。それには政・官・財の癒着、相互依存があることは国民のほとんどが承知していることだろう。

  だからどうしたらいいのか、というのがおそらくこの本の言わんとしていることだろう。
 日本という国家の資源(民間の企業の富を生みだす力)を考えると、きちんとした処方箋さえ描いて実行すれば、短期でないにしても、長期的に明るい未来は来るとは思う。

 しかし国家を経営する意思決定者の政治家で頼れる人物がいない。
 ほとんどの政治家は人気取りのスタンドプレーヤーばかりで、官僚を制御して国家のCEOになるにふさわしい人はちょっと思い浮かばない。

今後増税がつづき、経済停滞が進むようになれば、一揆でも起きやしないか、と心配するくらいなのだ。
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2011年07月16日

野生知(2)

<野生知>は、状況に応じた臨機応変な対応、知恵を生み出す力です。
 情報に溢れた現代社会では、人は流通している情報頼みになる。これがいわゆる<固定概念>というものを生み出し、状況を打破できなくする。
ではその<野生知>はどうやって身に付け、研ぎ澄ませることができるのでしょうか?

 いくつか方法をあげたいと思います。

(1)マニュアル本を全部捨てる
 書籍の中で最も安定的に売れるものは、自己啓発・ノウハウ本だと言われています。
 ダイエット、能力開発、精神力強、出世から願望実現に至るまで様々な<ノウハウ>い
ついての書籍は数多く出ています。どれだけ多く出版されているかは毎日の新聞の書籍広告を見ればわかるでしょう。
 人が抱えている問題を解決したい、というニーズはそれだけ高い、ということでしょう。
 しかし、この<ノウハウ>情報ばかり頼っていると、脳が自分から考えることをやめてしまう。結果的に応用力、臨機応変な対応力が損なわれることになります。
 だから本棚から思い切って並んでいるノウハウ本を全部捨ててしまって、自分で考える癖をつける。なければ、人間は自分で考え出すものです。
 マニュアル本などを読まないで、自分でノートを取り、『自分だけのマニュアル』をつくることができれば最高のトレーニングになります。

(2)群れない
 情報化社会という言葉が今から数十年前に生まれました。当時から<情報化社会になればなるほど、人は孤独になり、情緒的なニーズが高まる>と予測されていました。 
 情緒的なニーズ、とは、人と人とふれあい、コミュニケーションの場への要求です。
 現代社会は<孤独>な社会といわれているように、地域単位の共同体はほぼ消滅し、家族という絆もあやういものです。
 だからこそなのかもしれませんが、SNSなどのソーシャルサービスが普及しています。
 この根底にあるのは、人間の孤独感から来るニーズ、<自己確認>へのニーズです。
 人は誰でも自分の存在を認めてもらいたい。
 それは誰でも本来持っている性質なのですが、誤った方向にいくと不幸が起きる。
 それは<他者評価への依存>です。
 自己確認があまりに過ぎると、他者評価への依存となります。
 他者評価に依存すると、本来の自分がどこへ行っていいのか分からなくなってしまう。
 だから私は基本的には、あまり人とは群れない、好かれたいが為に群れないようにしています。
 古典(論語)の言葉にありますが、「和して同ぜず」=調和して節度のある付き合いはするが、なんでも同調してなれ合いにならない、という姿勢が、自立して自分で考える思考・生き方を形づくります。

(3)一人で旅をする
 若者ならばこの言葉を贈る人は多いでしょう。確かにその通りで若者が貧乏な一人旅をすることは自立心を養うのには最適です。
 もう一つ、ビジネスマン、あるいは経営者の方へおすすめしたいのが、仮に海外へ進出などを前提に旅をする場合に、人を頼らないで行くこと、です。
 近頃は一般の旅行ツアーのほかに、不動産投資ツアーであるとか、ビジネス視察ツアーなんていうものも沢山あると思います。
 こういうツアーは主催者側の目的は不動産の販売や、現地への工場投資などの進出です。
 概ねが昼間は目的の見物、夜は美味しい料理と場合によっては女性のある店などという場合が多いでしょう。
 ようするに<心地よく>視察ができるように設計出来ているのです。
 だからポジティブなことは分かっても、ネガティブなことは覆いに隠されてわからない。
 投資にしろビジネスにしろ、そんなに簡単にうまいこといって誰でも成功するなら、日本中海外に移っています。
 努力や苦労しないで成功するビジネスや投資なんてあるのでしょうか?
 海外投資や進出で失敗する人の多くは一瞬の<夢>で判断を誤ったり、準備を怠ったりする場合が多いのです。
 ですから海外の視察はできるだけ、自分で手配する。自分で安ホテルを予約して、2,3日でなく1週間以上滞在する。そして自分の足で見て回る。
 高級で快適なレストランもたまにはいいですが、一般庶民が食べるような食堂で食べてみる。そうすれば物価や人々の暮らしや価値観もわかるでしょう。
 観光で行くのと、ビジネスでお金儲けするのとでは、その国(街)は全然違う顔をしています。
 旅行なれしていない人にとっては、海外で一人で自己完結するというのは大変かもしれません。だから初回は一般のツアーで行っておいて、2回目からは自分でという風に慣らしてもいいかもしれません。
 
  日本という国はこれまで必然的にあってしかるべき<変化>が意図的に抑えられていたといえます。
 それは行政の規制であったり、大企業同士の連携やマスコミの報道などが要因でしょう。
 原子力発電事故に端を発して、やらせ番組ややらせメール、情報隠蔽などそれ以外の大企業や行政の<操作>が明らかになってきています。これらはネット社会で情報がオープンになって隠し事ができなくなってきている。 
 自然に変化すべきこと、修正すべきことを今までは大企業は隠蔽して、捻じ曲げてきました。
 必然たる変化が起こらなかった、とはそういう意味です。
 一事が万事、これからも、必然な変化がどんどん起こってきます。
 必然と捏造が戦うような事態になる。
 そんななか<情報知>だけでは正しい判断はできません。
 体と脳の原始的な部分で感じ取る<野生知>はそういう意味でも必要だと思います。
posted by WOODY at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外進出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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